リオ五輪アジア最終予選まであと半年…7月1日のコスタリカ戦で確認したい3つのポイント

写真拡大

文=飯尾篤史

 リオ五輪アジア最終予選まで、あと半年――。

 昨年1月のチーム結成以来、昨年1月のU−22アジア選手権、昨年9月の仁川アジア大会、昨年12月の東南アジア遠征、今年3月のリオ五輪アジア1次予選などを経て、U−22日本代表はチームの強化に取り組んできた。

 カタールでのアジア最終予選が開幕するのは、来年1月。チーム作りはいよいよ佳境を迎える。その“最初のステージ”として位置づけられるのが、7月1日に行なわれるU−22コスタリカ代表との親善試合だ。

 このコスタリカ戦で確認したいポイントは、[1]コンセプトの確認、[2]新たなテーマへの取り組み、[3]新戦力の発掘と競争力のアップの3点だ。

[1]コンセプトの確認
 チームを率いる手倉森誠監督は、これまで段階を踏みながら「守備意識を高める」「柔軟性と割り切りを身につける」「攻撃のバリエーションを広げる」といったコンセプトをチームに植え付けてきた。

 アジア1次予選を終えた段階で、こうしたコンセプトがチームに浸透しているのは間違いない。だがこのチームはこれまで16試合を戦っているが、アジアのチームとしか対戦していないため、本当に強い相手とどれだけ戦えるのか、との疑問が残る。

 その点、コスタリカのA代表は昨年のブラジル・ワールドカップで8強に進出したように近年、力を伸ばしている実力国だ。リオ五輪で対戦する可能性もあり、実力はアジア最終予選のライバルたちを凌ぐ可能性も高い。

「彼らは前から来る時と引く時とでメリハリがある。いろいろな戦術でめまぐるしく駆け引きすることになるだろう」と指揮官も言うように、コンセプトの浸透度、チーム力を測る試金石として格好の相手となる。

[2]新たなテーマへの取り組み
 コスタリカ戦に向けて指揮官は、新たなテーマも掲げている。それが「スピード&パワー」だ。A代表のコーチも兼任する手倉森監督は、これまでも折りに触れてA代表のコンセプトやミーティング内容をU−22日本代表に落としこんできた。「スピード&パワー」は今年3月にA代表の監督に就任したヴァイッド・ハリルホジッチ監督が選手に強く求めているもので、それをU−22日本代表にも要求していくというわけだ。

「どんな相手に対しても武器になるのはスピード。その点で“良いタレント”が出てきている」と指揮官は語ったが、“良いタレント”の代表格が、アルビレックス新潟の鈴木武蔵や、5月にA代表の候補キャンプに呼ばれたサンフレッチェ広島の浅野拓磨だろう。コスタリカ戦では、たとえ劣勢になったとしても、あるいは、あえて相手にボールを持たせて、鋭いカウンターから鈴木や浅野が抜け出す、攻撃の形を確立したい。

[3]新戦力の発掘と競争力のアップ
 手倉森監督が「コアメンバーは固まってきている」と語ったのは、今年2月のシンガポール遠征の際だった。だが、アジア1次予選を終え、J1の第1ステージが終わろうとする今、状況が変わってきた。「コアメンバー」の中に所属クラブで出場機会を得られないままの選手がいる一方で、1次予選には選ばれなかったものの、所属クラブで試合経験を積み、飛躍的に成長した選手が何人か出てきた。

 その代表格が、昨年3月の国内合宿以来の選出となった前田直輝だ。東京ヴェルディから松本山雅に期限付き移籍し、ポジションを確保。「判断のスピードも付いてきたし、守備面でも弱点を克服しようとしているのが見て取れる」と指揮官は高く評価した。

 喜田拓也(横浜F・マリノス)、川口尚紀(アルビレックス新潟)、金森健志(アビスパ福岡)もしばらく代表から遠ざかっていたが、所属クラブでの成長が評価され、代表に復帰した。

 今回選出された24選手のうち、アジア1次予選に出場したのは13人しかいない。ここに来てのメンバー入れ替えからは、所属クラブでの成長を重視したうえで、競争原理を持ち込むことでチーム力を高めたいという指揮官の狙いが見て取れる。

 戦いの場は、手倉森監督がかつて指揮を執ったベガルタ仙台のホーム、ユアテックスタジアム仙台だ。指揮官ゆかりの地からU−22日本代表は半年後の決戦に向けたラストスパートを切る。