違法伐採を阻止するミュージシャンたち。「自然を破壊する楽器で、感動は生まれない」

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ギターを弾く人にとっては当たり前のことかもしれないが、この楽器はいくつものパーツが組み合わさり、音のバランスが生み出されている。ボディやネックの材質だけで、音の良し悪しがガラッと変わることもあるという。
たとえば、“枯れた音色”を生み出す木材もあれば、重厚な響きを持つ材質といった具合に、こだわればその分だけ値が上がり、天井知らずの世界であることは間違いないようだ。

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ギターに限らず楽器メーカーは、伝統的にパーツの一部に希少性の高い素材を用いることで、オリジナリティや愛玩品としての付加価値を持たせる工夫をしてきた。とくにギターのネック部分に使用される指板(フィンガーボード)には、希少パーツが使用されることが多い。この材料となるのが、ブラジル産のマホガニー(黒檀)やインドネシアのアイアンウッド、マダガスカルのローズウッドなど。
だが、これらの木材はどれも、入手が困難であるが故に希少価値が高い。さらに、これらの木々だけでなく、時としてとして、違法な伐採によりパーツへと変容しているらしい。

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そんな自然破壊への警鐘を鳴らすNPO団体「REVERB」の発起人の一人アダム・ガードナー。彼は、米ボストン出身のインディーロックバンド「GUSTER」のヴォーカルを務める、プロのミュージシャンでもある。今、多くの音楽仲間が違法な森林伐採を阻止する彼の活動に賛同しつつある。

アイアンウッドの原生林が残るインドネシアでは、男たちが、日も明けない夜のうちに密かに森へと分け入り、木を斧でなぎ倒し、ロープをつないで森の奥から数人で引っ張り出してくる。獣道も踏み固められ、やがてはそこには人間が難なく通れる道となる。こうして森は少しずつ荒廃し、姿を変えていくことに。

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大規模な違法伐採の手は、国立森林公園にまで及んでいるそう。「REVERB」と米環境調査局(EIA)の合同調査が伝えるところによれば、熱帯雨林の森林伐採の約半分は違法なもの。それは、環境に悪影響を与えているだけでなく、野生動物の生存をも脅かすことに。

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ギター製造のための違法伐採が公になったのは2009年のこと。
インドやマダガスカルで保護対象となっていたマホガニーを輸入したとして、アメリカの大手楽器製造メーカー「ギブソン・ギター・コーポレーション」が、米司法省から捜査を受けた。世界の希少な木材の保護を定めた米国独自の法律、レイシー法に違反したという判断からだった。

レゲエミュージシャンのマイケル・フランティも、希少なパーツへのこだわりを捨てたひとりだ。

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「実際、ビックリするくらい高価なギターもあるけど、どこに先祖代々の自然の恵みを切り倒してまで製造しなければいけない楽器があるって言うんだい?希少な木材を使う必要なんてどこにもないんだよ。確かに乾いたヘビーな音色だけど、だからといって音が良くなるとは思わない」

今、彼のように自ら森林破壊の原因となる違法木材を使用したギターを手放し、森林保護に向けた誓約を交わすミュージシャンが増えている。この動画には、「REVERB」の活動に参加するマイケル・フランティ、ジェイソン・ムラーズ、MAROON5、リンキン・パークら、そうそうたるメンバーが名を連ねている。

Licensed material used with permission by Reverb