専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第9回

 ゴルフ場は、「珍プレイ」「好プレイ」の宝庫です。特にアマチュアゴルファーの場合、動画サイトにアップして話題になりそうな"あり得ない出来事"がよく起こります。「あぁ〜、カメラで撮っておけばよかったな」と、そんなことを列挙しますから、とくとご覧あれ。

 まず、私の最少飛距離の話です。実は、マイナス50ヤードという記録を持っています。

 事件は、かつてメンバーだった南総カントリークラブ(千葉県)で起こりました。珍しくバックティーからティーショットを打ったのですが、なぜか超低い弾道でボールが飛んでいきました。そしてそのボールが、前方のレギュラーティーの、かまぼこ型のティーマークに当たって、綺麗に回転し跳ね返ってきたのです。

 あれよ、あれよとボールを見ていると、自分が打った場所を飛び越えていって、後方約50ヤードに止まりました。当然「OBだろう」と思ったんですが、なんとセーフ。まさにガーンって感じでしたね。まあでも、仕方なく打ちましたよ、そこからセカンドショットを......。

 また、ゴルフ場では、数多くの"闖入者(ちんにゅうしゃ)"との出会いがあります。猿や鹿には何度か遭遇しています。埼玉県じゃあ、人懐っこい小鹿に会って、1ホール一緒に同伴したことがあります。先月、北海道に行ったときには、キタキツネに出くわしました。

 いちばん感動したのは、千葉県で弱っている子どものタヌキを保護したときでしょうか。カラスにいじめられていたのを助けて、帽子の中に入れてクラブハウスまで戻りました。同伴者がゴルフ場のメンバーだったので、そちらのコースに頼んで、しばらく預かってもらいました。

 いいことをしたな、と思っていたら、その同伴者さん、午後からバーディーを連発して絶好調! 善行はするもんですね。

 結構笑ったのは、真冬のゴルフで、池に氷が張ってカチンコチンに固まっていたときのこと。池ポチャだと思ったショットが、池の氷に跳ねて、ワンバウンドしてナイスオン! ありがたやぁ〜、でしたね。

 逆に、運悪く氷の上にボールが止まってしまった方がおりまして、そこから打とうとしたんですね。すると、氷の上に乗った瞬間、氷にヒビが入って危うく大惨事に、っていうこともありました。その方は、とっさの判断で逃げて難を逃れましたが、氷上からのショットは命がけ。これは、やめたほうがいいですね。

 さて、お待ちかね、ゴルフ場で起こる"あり得ない出来事"のメインイベントは、怖い人に絡まれることです。

 以前、伊豆でゴルフ合宿していたときのことでした。ラウンド後、練習場で仲間と反省会をしていて、「ドローボールはこうやって......」とか言っていたんですね。そこへ、いきなりガラの悪いおやじが現れ、「おまえら、何やってんだ〜」と、からかってきたのです。

 特に"口撃"されたのは、私でした。当時ドローボールの打ち方を学習中で、そこで得た知識を仲間に向かって解説していたわけです。ガラの悪いおやじは、それを聞いていたらしく、「おい、そこのメガネ! 口だけは達者だなぁ〜」と言って、容赦なくはやし立ててきました。思わず、私は手に持っていた5番アイアンを握り締めましたからね、相当タチが悪いオヤジでしたよ。

 最終的には、そこのメンバーも一緒にいたので、仲裁に入ってもらって事なきを得ましたが、その日はえらい気分が悪かったですね。

同じく伊豆で......って、私にとって伊豆は"鬼門"なんですかねぇ......。また別のメンバーたちとゴルフをしていたら、休日だったのでコースは"大渋滞"。ハーフを回り終えるのに、3時間半くらいかかっていましたか。

 そこで、あまりにも待つから、ホールとホールの合間で一緒に回る友人のスイングチェックをしていたんです。そうしたら、次のティーグラウンドに、後ろの組のオッサンらがカートで乗りつけて、「おまえら、レッスン行為禁止だぞぉ〜! さっさと打てよ!!」と、怒鳴り込んできたわけですよ。

 別にウチらが渋滞を起こしているわけではないので、これにはそのコースのメンバーである友人がキレましたね。「(前が)詰まっているから、待っている間、(スイングを)教えていただけだろう。だったら、おまえら先に行け!」と、文句をつけてきたやつらを、わざと先に行かせたんです。

 それからは、こちらの大反撃。後ろからプレッシャーをかけまくって、前に行ったやつらは、ホールごとのプレイが終わると、雲の子を散らすように全速力で走り去っていきました。ウチらとなるべく顔を合わせないようにしていたんですね。結局、先に行っても渋滞が解消されることはなく、次のティーグラウンドでは鉢合わせするわけですから、その怒鳴り込んできた人たちは、かなりバツが悪そうでしたよ。

 というわけで、ゴルフ場って、意外と思わぬ"ドラマ"が生まれます。最近では、池で溺れたり、カートでケガしたりといった、悲惨な事故があちらこちらで起きています。ゴルフは興奮するので、アドレナリンが出まくりです。だから、あり得ないことが起こりやすいんだと思います。くれぐれも、注意してプレイしてくださいね。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa