「世界一醜い」と言われた女性の前向きなスピーチに、世界中が勇気をもらった

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アメリカに住む25歳のリジー・ベラスケスさん。彼女は世界に発病者が3人しかいないという、新生児早老症様症候群の一種を患っています。
たくさんの困難を経験し、乗り越えてきた彼女の発する力強い言葉は、多くの人に勇気を与えてくれます。後ろ向きなことを言われても、それを自分のモチベーションをあげるために使うことで自分を強くすることができる、と語ります。
ここからは、彼女がTed Conferenceで行ったスピーチの書き起こしを紹介していきます。(記事下には、実際の動画があります)

世界に3人だけ
体重が増えない未知の病気

th_shutterstock_167557547ここで話すことができて、本当に嬉しく思っています。まず最初に私がお話ししたいことは、私の病気について。実はこの病気に関してはあまり多くのことは分かっていません。私を含め世界に3人しかこの病気を持っている人はいないのです。
この病気を患っていて何より嬉しいことは、体重が増えないこと。自分の食べたいものをいつでも好きに食べられます。それでも体重は増えません。

3月で25歳になりますが、今まで一度も体重が29kg以上になったことがありません。
大学時代、私はベッドの下にたくさんお菓子を入れた箱を隠していました。ルームメイトには「夜中の12時半ぐらいに、あなたがお菓子の箱に手を伸ばしている音が聞こえるわ」とよく言われたので、「食べたって太らないのよ!」と答えていました。
それがこの病気の良いところ。体重が増えることはなく、細い体型も維持できます。それに視覚障がいまであるんです!
よくいろんな人に目が見えないところのどこがいいの?片目だけしか見えないんでしょう?と言われます。
私はコンタクトレンズをつけているのですが、片目だけなので値段は半額で済みます。読書用のめがねでも同じ。片方のレンズだけで大丈夫です。私にちょっかいをだしたり、失礼なことをする人は、私の右側に立ってくださいね。そうしたら、存在しないも同然です。そこに立っていることさえ分かりませんから(笑)。

家族の温かい愛情
に気づいた

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私は両親にとって、初めての子どもでした。私が生まれる時、医者は母に「赤ちゃんの周りに、羊水がまったくありません」と告げたそうです。その中で私が生まれて、産声をあげたのは奇跡でした。
医者は両親に「覚悟しておいて下さい。娘さんが自分一人の力でしゃべったり、歩いたりすることはできないかもしれません」と言いました。
嘆いてもおかしくない状況でしたが、「どうして私たちだけこういう目にあうの?」なんて両親は言いませんでした。両親が最初に言ったことは「娘に会わせてください。彼女を家に連れて帰ります。精一杯愛して、できる限りのことをします」でした。
そして、本当にその通りにしてくれました。
私がここまで育ったのは、すべて両親のおかげです。お父さんは今日、この会場に見に来てくれています。母は家で見てくれています。「ママ、見てるー?」。
私がどんなに大変な時も、母のおかげで乗り越えることができました。彼女が私に闘う心を教えてくれたので、胸を張って話すことができるようになりました。

何も悪いことをしてないのに
どうして嫌われるの?

一番大変だったのが、この会場にいる誰もが体験したことのあるようなことです。何かわかりますか?アルファベットの「B」から始まります。分かります?

観客:男の子関係(Boys)?

男の子?違います!「Bullying」いじめですよ!気持ちは分かりますけどね…。(笑)
私はいじめにたくさん遭いました。他の子どもと同じように育てられたので、幼稚園に通いはじめた時は、自分の外見が他の子と違うなんて思いもしませんでした。自分が他の子どもたちからどう見られるかなんて、分かりませんでした。それを気づいた5歳の時は衝撃でした。幼稚園の初日とてもウキウキしていました。
ある女の子に近づいて、にっこり笑いかけました。すると彼女は、まるでモンスターを見るような目で私を見ました。今までの人生で一番怖いものを見るように逃げていきました。私は心の中で「まったく、失礼しちゃうわ」と思いました。「私はこんなに明るいのに、彼女はもったいないことをしたわ。まぁいいや。こっちのブロックで遊んでいよう」なんてことを考えていました。
そのうち状況は良くなると思っていましが、いじめはひどくなるばかりでした。

「どうして?私が何をしたっていうの?悪いことは何もしていないのに!」そう両親に伝えると、私を座らせてこう言いました。「リジー、あなたが他の子と違うところは、痩せているということだけ。病気だけど、それだけであなたがどういう子か決まったりはしないのよ」と。
両親は私に「学校にいって、顔を上げて笑いなさい。とにかく自分らしくしていなさい。そしたら、あなたが他の子と何ら変わらないことに皆気づくから」と言ってくれました。皆さんも、ぜひ今この場で自分自身に問いかけてみてください。

あなたを定義するものはなんですか?出身地ですか?生い立ちですか?友だちですか?

さて、答えは何でしょう?

あなたがどんな人間か、決めているのは何でしょうか?

自分を定義するのは
見た目じゃない

私は、自分を定義するものを理解するのに、とても長い時間かかりました。長い間、自分を決めるものは外見だと思っていました。中学生の時は、朝起きるのが大嫌いでした。学校の支度をするために、鏡を見て「こんな病気、こすり落ちればいいのに」と毎朝思ってました。それができたら、私の人生はもっと楽だったはずです。毎朝起きては病気がなくなっているように祈り、そのためにできることなら何だってすると思っていました。そして鏡を見て、失望していました。
ただ、私はまわりの友だちから信じられないぐらい素晴らしいサポートを受けていたことに気付きました。彼らは同情することなく、悲しい時は支えてくれ、楽しい時は一緒に笑ってくれました。病気は、私が誰であるかを決めることにはなりません。
人生という道を進んでいく車の、運転席に座っているのは自分。どこへいくかを決めるのも、自分自身なのです。良い道に進むのも悪い道に進むのも、自分の存在を定義するのも、自分なのです。

頼むから死んでくれと言われて
気づいたこと

とても残念なことでしたが、私が高校生の時、誰かが私を「世界一醜い女性」と題して動画をアップしているのを見つけました。音のない8秒間の動画を、400万人が視聴し何千ものコメントが書かれていました。「リジー、お願いだ。世界のためだと思って、銃を頭につきつけて自殺してくれ」というコメントまで。もし見知らぬ人にこんなことを言われたらどうでしょう。想像してみてください。私はさんざん泣きましたが、ある時吹っ切れて見返してやろうと思いました。でも結局放っておくことに決めました。
その時、人生を良くするのも悪くするのも自分次第だと気付きました。まずまわりの人に感謝して、どれだけ恵まれているか理解することにしました。私は片方の目が見えませんが、もう一つの目は見えます。よく体調が悪くなりますが、髪はとてもキレイなんですよ。

観客:本当にそうね!

ありがとう!ノリがいいですね。何話すか忘れちゃったわ!

観客:サラサラの髪!

そうそう、髪、髪ね。幸せになるのか、今の状況を嘆いて不満を言うのか、それは自分次第。そこで私は、また気づきはじめました。私をモンスターと呼ぶ人たちに、私を定義させるの?私に銃で死ねと言った人たちに、私を定義させるの?そんな必要はありません。
持っている目標や成功体験、今までに成し遂げてきたことで自分を定義しました。外見や、視覚障がい、未知の病気を患っていることで定義しません。

自分を悪く言う人たちを見返す!
そう思うことで強くなれた

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私を笑ったりからかったり、モンスターと呼んだりする人たちを見返す方法は、幸せになることです。そしてそういう人たちに対して「悪口を言ってごらん。私はそれを、夢へたどり着くための糧にしてやるわ」と言うのです。
それが、実際に今まで私がしてきたことです。人を勇気づける講演者になること。本を書いて、大学を卒業すること。家族を持ち、キャリアを積むことを目標にしました。
私は皆さんの前に立って、多くの人を勇気づけられるような話をしています。これで最初の目標を達成することができました。
また本を書くことですが、数週間後には3冊目の本の原稿ができあがります。
ずっとやりたかった大学の卒業も、つい先日達成しました。
まだ自分の家族を持つという目標には時間がかかりそうですが、キャリアについては、頑張っていると思います。講演者になりたいと思った時に、家に帰って「講演者になるには」とインターネットで検索しました。冗談ではなく、できることは何でもしました。

私は何もできないだろうと言う人たちの言葉を、モチベーションにしました。ネガティブな言葉をやる気を出すための燃料に変えたのです。否定的な意見を力に変えれば、絶対に打ち勝つことができます。

さて、皆さんにもう一度この質問をして終わりたいと思います。自分自身に問いかけてみてください。あなたの存在を定義するものは、何でしょうか?ありがとうございました。

Reference:TED Talks