この形で建設されるのか?新国立競技場のデザイン案(資料提供スポーツ振興センター)

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 2020年の東京オリンピック開催に向けて、あちらこちらで少しずつ準備が始まっています。 新国立競技場も、当初案から見直しが進められていますし、サッカーなどいくつかの競技では開催会場も地方に分散しそうですね。それぞれの課題を乗り越えて「お・も・て・な・し」で選手を歓迎したいですね。

 ところで昨日6月23日は「オリンピック・デー」でした。この日は1894年にフランスのクーベルタン男爵の提唱で、オリンピックを運営する国際オリンピック委員会(IOC)が創設された日です。そのことを記念して1948年のIOC総会で、この日を「オリンピック・デー」として定めました。 

 さて、オリンピック開催となると、大会運営のためには、施設の新設や拡充などが行われます。また、開催期間中は選手や関係者以外でも海外から大勢の観光客が日本を訪れることになることでしょう。すでに円安傾向も手伝って訪日外国人が増加していますが、開催年の2020年の為替水準はどうなっているのでしょうか? 

 東京都では、想定来場者数を一日最大で92万人とみているようです。訪日外国人はどの程度を見込んでいるのでしょうか?みずほ総合研究所(株)の試算(2013年9月)では想定観戦者505万人のうち外国人の割合を16%と試算しており、その場合には80.8万人にもなります。

まだ5年先のイベントですが、オリンピック開催が近くなると徐々に日本に注目が集まることもあり、外国人観光客は年々増加していくでしょう。デフレ脱却を目指す日本経済にとっては追い風となりそうです。このため、ホテル業界は活況は続きそうです。海外でも有名な日本のホテルオークラも今年夏に本館を閉館して建替計画を発表しています。(新本館開業予定2019年春)このように、不動産投資などへの期待感はあるようですね。
 
 ただ、為替市場はファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)で動くもので、開催年以降の展望が大事です。前述のみずほ総合研究所によりますと、宿泊施設や交通網などインフラも整備されるため、日本の観光イメージが向上することから、オリンピック閉幕後も海外からの観光客も引き続き増加するとみています。ただ、これらの施設がオリンピック開催以降も日本の一般消費者などにも有効に活用されればよいのですが、1988年以降の夏季オリンピック開催国の例を見ると、米国・アトランタ以外では開催年以降、その国の経済成長率はすべて失速しています。オリンピックではスポーツというソフト面が強調されがちですが、実は競技をする上で大事な施設や、観客・選手の移動のための交通手段などすべてインフラのハード整備です。開催地である関東という地域が活性化し、日本に活力を与えればプラスなのですが、無駄なハード整備で単なる箱モノ行政に終わる事態となれば、経済も大幅失速となり、デフレ脱却は夢と終わりかねません。現在、予算という点で見直しをいろいろしていますが、既存施設の有効活用と周辺地域の活性化を期待したいところです。

 オリンピック開催年の話題に浮かれず、その後の「需要見込み+訪日外国人の増加」という期待では、意外と円買い圧力がかかる可能性があるのではないでしょうか? 2020年まであと5年で、少し先のことですが、為替相場は需要と供給が市場の基本なので、訪日外国人が増えれば円買い需要はありだといえるでしょう。(FXストラテジスト 宗人)