「フライトプラン・コンピューターへのハッキング疑い」相次ぐ

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6月21日、「フライトプラン・コンピューター」がハッキングされた疑いがあるとして、LOTポーランド航空の10便が欠航した。6月2日には、ユナイテッド航空のフライトプラン・コンピューターに関してもハッキングの疑いが報告されている。

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ポーランドのワルシャワ・ショパン空港(旧オケンチェ空港)で6月21日(現地時間)、約1,400人の乗客が地上に足止めされる出来事があった。

報道によると、旅客機の「フライトプラン」を発行するコンピューター・システムが、ハッカーによる攻撃を受けた疑いがあったためだ。

「ハッキング」の標的となったのは、ポーランド国営のフラッグ・キャリアLOTポーランド航空だ。ロイター通信社は、このトラブルが21日午後に発生し、約5時間後には復旧したと報じている

LOTポーランド航空の広報によると、その影響で、同社の合計10便が欠航し、他にも十数便が遅延したという。

攻撃を受けたとされる「フライトプラン・コンピューター」とは、航空機が目的地へ向けて取る正確なルートを示し、航空管制に提出して承認を得る「飛行計画」を作成するものだ。最適化されたフライトプランは、気象条件、機体の離陸時の推定重量、航空管制上の要求など、数多くの変数を考慮して決められる。その究極的な目的は、機体の燃料消費を可能な限り抑え、同時に航空機同士の空中衝突のリスクを最小化することにある。

理論的には、フライトプランを「手書き」で作成することも可能だ。しかし、LOTポーランド航空のような大きな航空会社では、安全上の理由からコンピューターの使用を義務付けており、ハッカーによる不正アクセスなどが発覚した場合には、何らかの封鎖プロトコルが起動されることになる。

ただ、ここで指摘しておくべき点は、現時点ではこれが本当にハッキング事例だったかどうか、まだ確認されていないということだ。したがって、実際にはLOTポーランド航空のシステムに重大なソフトウェアバグがあっただけで、エンジニアがこれをハッカーの仕業と誤解した可能性も否定できない。

LOTポーランド航空の広報は、すでに離陸していた航空機はハッキングの影響を受けず、正常に着陸できたと述べた。空港全体への影響もなく、問題が起きたのはLOTポーランド航空のコンピューターだけだったという。

同社広報は、具体的に何が起きたのか、詳細を明らかにしなかったが、ある興味深い情報を断片的に漏らした。「当社は最新鋭のコンピューター・システムを使用しています。したがって、他の航空会社であったとすれば、これが重大な脅威となっていた可能性があります」

6月2日には、米国でユナイテッド航空のシステムが内容に誤りのあるフライトプランを発行し、ハッキングの疑いがあるとして、同社フライトの出発は1時間ほど遅れたという事件も起こっている

※2015年5月には、航空コンピューターセキュリティの研究者が、「フライト中の機内娯楽システムをハッキングし、飛行機エンジンを制御下に置いた」と米連邦捜査局(FBI)に供述していたことが明らかになっている(日本語版記事)。

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