職場の団結力を高めたいときに思い出したいマザー・テレサやアウンサンスーチーの名言

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仕事は、仲間が団結して取り組むとよりよい結果を出せるけれど、チームが一致団結することはなかなか難しいもの。それにはやはり、リーダーの強いカリスマ性が必要なの?

人材育成やスキルアップのセミナー講師などで活躍する新井淳子さんは、「世界的に有名な女性リーダーには、強いカリスマ性を持つだけではなく、時間をかけて地道にことを成し遂げている人が少なくありません」と話す。

「こうした女性リーダーは、地道な方法でリーダー自身が努力を重ねることで、少しずつ周囲の賛同を集め、団結力を高めているようです。男性とは違う、女性ならではのやり方と言えると思います。そんな方法を学ぶのもおすすめです」(同)

そこで世界中から尊敬の念を集め、ノーベル平和賞を受賞した2人の女性リーダーの言葉から、地道な方法で団結力を高める方法を学んでみよう。◆マザー・テレサ「わたしにできないことが、あなたにはできます。あなたにできないことが、わたしにはできます。力を合わせれば、きっとすばらしいことができるでしょう」

紛争が絶えなかった旧ユーゴスラビアのマケドニアで生まれ、幼い頃から人々の争いを目の当たりにしてきたマザー・テレサ(1910−1997)。18歳で修道女となってインドに渡り、38歳の頃にコルカタ(カルカッタ)のスラム街で病人や難民、孤児たちの救済活動をたった1人で始める。

テレサの活動は苦しむ人の1人ひとりと触れ合い、ケアをするという地道なものだったが、その真摯な姿が周囲の心を打ち、次第に多くの援助や寄付などが得られるようになって活動が世界へと広がっていった。

「この言葉は、あるアメリカ人女性が『あなたのしていることはすごすぎます。私にはなにもできません』と発言したことに対して、テレサが返した言葉。自分は貧しい人々に手を差し伸べることはできるけれど、お金を稼ぐことはできない。ほかの人は現場で奉仕ができなくても、稼いだお金を寄付したり、テレサの活動を伝播する助けになることができる。そんな風に、それぞれが自分にできることを地道に行えば大きな団結力となり、目標を達成できるということをテレサはこの言葉で伝えています」(同)

◆アウンサンスーチー「人生で大切なのは“したいこと”をするのではなく、“やるべきこと”をすること」

この言葉は、ミャンマーで50年近く続いた軍事政権を民主化へと導くアウンサンスーチー(1945-)が、2013年に来日した際にインタビューに応じて発言したもの。スーチー女史は過去3回、計14年以上にわたり自宅や獄中で軟禁されながらも、不当な暴力やあらゆる自由の制限などの人権侵害に立ち向かい、長年にわたって民主化を唱え続けてきた。

「“したいこと”は自然と思い浮かぶものですが、人や社会との関わりにおいて“やるべきこと”は、積極的に考えなければ見つからないもの。これを自ら考えて実行をすることで、周囲の人の共感を得ることがあります。スーチー女史は、軍政による人権侵害をなくすために反政府行動を起ち上げ、度重なる自宅軟禁にも負けませんでした。そんな彼女の姿にミャンマーの民衆は共鳴し、団結していったのです。これは、職場での団結力にも当てはめることができるはず。1人ひとりが、自分が“やるべきこと”がなにかを考えるようにすると、自然と強いチームワークが生まれるのではないでしょうか」(同)

彼女たちの言葉は、団結力を高めるためにはまず自分自身が行動することが大切だと教えてくれる。私たちも仕事に対して、“自分にできること”“自分がやるべきこと”はなにかを考え、それを精一杯やり切ることから始めてみよう。

新井淳子
オフィスフローラン代表。日本プレゼンテーション協会認定講師、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー。職場の課題発掘と人材育成、モチベーションアップなどを図るコンサルティングやセミナー開催などを行い、スキルアップのサポート役として多方面で活躍中。