都市を変える「スマートスクーター」が社会実験を経て、ついに始動

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台北で電動スクーターとバッテリー交換ステーションの社会実験をしていたGogoro社が、いよいよ「スマートスクーター」の市販を開始する。動画で紹介。

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都市での移動手段のみならず、そのための電気の貯蔵と利用の方法も変えていくことを目指すGoboro社が、最初の製品である電動スクーター「スマートスクーター」の販売を開始した。台湾での予約販売価格は4,140ドル(約512,000円)だ。

Gogoro社は、もう何年も前から話題を集めてきたスタートアップ企業だ。総額1億5,000万ドルにも上る多額の資金調達にも成功し、2015年1月のCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で、このスマートスクーターを発表していた。

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スマートスクーターはセンスよくデザインされており、性能もなかなかのもの。しかしその真のイノヴェイションは、バッテリー交換ステーションのシステムにある。ユーザーは街中に設置されたステーションを訪れて、残量の低下したバッテリーを充電済みのものと交換できるのだ。

電気自動車のバッテリー交換システムには多くの難題があり、過去のどの試みも成功には至っていない。Better Place社はその好例だ。同社は、バッテリー交換式EVのインフラをつくり出そうとして2007年に設立。8億5,000万ドルもの資金を調達したが、2013年5月に破産している(日本語版記事)。

だが、Gogoro社には成算があった。スマートスクーターのバッテリーはふたつでわずか9kgと軽量であり、しかも簡単に取り出せるため、交換作業に複雑で高価な機器を必要としない。ユーザーは自分でスクーターのバッテリーを取り外し、それらをステーションに収めて、代わりの充電済みバッテリーを取り付けるだけだ。同社のデモンストレーションによれば、交換作業はたったの6秒で終了する。

ATMとほぼ同じ大きさのステーションには、8個のバッテリーが収まっており、設置に要する費用は10,000ドル以下だという。バッテリーの数はユーザーそれぞれのニーズに合わせて追加できるので、Gogoro社のホーレス・ルーク最高経営責任者(CEO)は、これを「モジュラー式設備投資」と呼んでいる。

このシステムの優れている点は、EVの普及を妨げる大きな理由である、充電時間の問題を解決していることだ。充電済みのバッテリーをすぐに受け取れるのであれば、充電にどれほど時間がかかろうとユーザーを待たせることはない。

6月17日(現地時間)の記者会見で発表された4,140ドルという価格は、従来のガソリンエンジンの小型スクーターと比べれば高価だ。しかし「The Verge」の記事によると、この価格には1年間の盗難保険と、2年間の無料メンテナンス、および故障時のロードサーヴィスが含まれる。そして特に重要なのは、最初にこの金額を払えば2年間は何度でも充電済みバッテリーを使えるので、ユーザーはもはや「燃料代」を気にしなくてもいいことだ。

スマートスクーターの販売はいまのところ、Gogoro社が約3カ月間の社会実験を行ってきた台北地域に限定される。同社はこれを世界各地に広げていく計画だ。

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