<資料>
「知らない」ということでも幸せな場合と、「知らない」とやはり不幸せになる可能性がある場合とがある。特に相場とはそんな世界だ。

 17日、FOMCを前後しドルは急反落に転じた。それは、以下のように受け止めた結果とされた。

「金融当局者が示した新たな予測によると、年内に0.25ポイントの利上げが2回実施されることが示唆されたが、2016年の引き上げペースの見通しは下方修正された」(6月17日付けブルームバーグ)。

 5月22日はイエレンFRB議長の発言がドル一段高のきっかけになったとされたが、それは以下のような内容だった。

「イエレン議長は講演で、想定通りに景気の回復が続いた場合は、年内の利上げ開始が適切になるだろうと述べた。またその後の正常化のペースについては漸進的なものになるとの認識を示した」(5月23日付けブルームバーグ)。

 なぜ、「年内利上げ宣言」の5月22日イエレン発言は重要なドル買い材料となったのに、「年内利上げ2回示唆」の6月17日FOMCはドル売り材料になったのだろうか。イエレン発言やFOMCは後付けに過ぎず、「真の理由」は別にあるのではないか。

 5月下旬からドル高・円安が125円へ向かい一段と進むなかで、マーケットの一部には以下のような観測があった。

「積み上げていたユーロ・ショートと欧州債ロングの「ユーロトレード」で損失を被ったヘッジファンドが、イエレンFRB議長の「年内利上げ宣言」と円ショート縮減を受けて、円売り・日本株買い「ジャパントレード」で収益奪還を図ろうとしている」。

 確かに、投機筋の円売り越しは5月19日の2.2万枚から、6月9日の11.6万枚へ3週間で5倍増となった<資料参照>。それにおいて、イエレン発言は後付けの口実に過ぎず、「ユーロトレード損失」を挽回するための「ジャパントレード勝負」だった可能性は注目される。

⇒【資料】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=46446

 ところが、6月10日、「黒田発言」をきっかけにドルは124円台から122円台へ急落となった。円売り、日本株買いの「ジャパントレード」は大きく動揺した可能性がある。それでも、さすがに5月までドル高値だった122円台というテクニカルな重要ポイントで、ドル急落も一息ついた。そして17日FOMCにかけてドル高・円安再トライとなった。

 しかし、FOMC前後で、ドルは6月10日「黒田ショック」前のドル高値にとどかず、テクニカルには「二番天井」確認のようになった。だから、「年内利上げ2回示唆」にもかかわらず、FOMCはドル売り材料になったのではないか。普通なら、ジャパントレードの調整(円買い、日本株売り)第2幕が注目される局面ではないか。

 以上のような見方からすると、この1か月のドル円の動きは、一般的な解説とはかなり違った理由の可能性があるわけだ。(了)

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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、投資情報会社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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