5月29日に経団連が公表した2015年夏のボーナス第1回集計では、組合員平均の妥結額は前年比2.43%増の91万3106円(その時点で妥結していた63社の組合員平均)。3年連続の増加で2008年のリーマンショック以降最高の水準だという。本誌は各企業への独自取材で有名95社の今夏のボーナスを徹底調査した。

 意外だったのは、電機とともに円安の恩恵を受けた「自動車業界」が、全体では前年比0.19%のマイナスだったことだ。

 そうはいっても大手のボーナス額は高額だ。「純利益2兆円」を達成したトヨタ自動車を筆頭に3月期決算では、大手8社のうち4社が過去最高益を更新。今回のボーナス調査でもトヨタ、日産自動車が「100万円超」をキープするなど各社軒並みアップしている。各社社員の声は明るい。

「ボーナスで600万円近い自社の高級車・ヴェルファイアを購入することにしています。航空機のファーストクラスのような座り心地のシートがたまらないんです」(トヨタの50代管理職)

「我が社の人気スポーツカー・ロードスターを買おうと思っているのですが、社員でも予約待ちです(笑い)」(マツダの40代社員)

 円安を追い風にした大手メーカーが好調な一方、苦しいのは下請け企業だ。部品メーカーなどの苦境が業界全体での「マイナス」につながっている。

「為替が円安になると製造する部品の原料価格が高騰し、経営を圧迫します」(自動車総連)

 それでも大手自動車メーカーに気を遣って納入価格を値上げすることもできない。ここに日本企業の歪んだ構造が現われている。

※週刊ポスト2015年6月26日号