『【ワールドカップ予選】ハリルホジッチ監督 シンガポール戦後記者会見 - YouTube』(JFATV)

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 大事なW杯予選の緒戦、“超格下”といわれたシンガポールをホームに迎え、シュート数23-3、コーナーキック数14-0、ボールキープ率66%-34%と、内容では圧倒するもののゴールが奪えずに0-0のドローに終わった日本代表。Jリーグ創生から22年、日本のサッカーは世界でも稀に見る速度で成長してきた。しかし、“持病”ともいえる決定力不足は、いまだに回復の兆しは見えない。

 ここでかねてからの疑問がある。そもそも、諸外国はそんなに決定力が不足していないのだろうか? それほどゴールを奪えているのだろうか?

「日本代表は、実は相当攻撃力のある国なんですよ。今シーズンACミランの監督を務めたフィリッポ・インザーギ氏も、もう何年も前から日本代表のファンを公言していますし、海外にもファンがけっこういるんです。過去30試合のゴール数を計算してみても、日本代表は59ゴール。一試合平均すると1.96。お隣の韓国が、35ゴールで1.16ですからこの数字が優れているということはわかりますよね」(スポーツライター)

 ちなみに、W杯前回王者ドイツは、102の3.4、サッカー王国ブラジルは69の2.3、両国はさすがの数字を残すものの、攻撃サッカーで有名なスペインは、42の1.4。メッシ擁するアルゼンチンは、60の2.0。クリスチアーノ・ロナウドのポルトガルは、49の1.63になる。ヨーロッパや南米の国とは、戦う相手のレベルも変わってくるので一概に比較はできないが、日本代表の得点力が決して大きく劣っているわけではないことがわかる。では、なぜこうも日本代表には決定力不足のイメージがついてまわるのだろうか?

「日本代表は、ラモス瑠偉、中田英寿、中村俊輔、小野伸二など、代々中盤にスターが多く、チャンスを作る回数が多い傾向にあるんです。なのでチャンスの数のわりにゴールが少ないことがひとつの原因だと思います。それともうひとつは、印象の強い負け、もしくは引き分けの試合を、ここぞという時にしてしまうからなんです。もちろん、シンガポール戦もそうですが、最近で印象深いのはアジアカップ決勝トーナメント一回戦UAEとの一戦です。その試合もシュート数35-3、コーナーキック数18-0と、試合内容では圧倒するものの、延長の末PK戦で敗れました。このような、見ている側のストレスが爆発するような試合を定期的に、しかも大事な試合でしてしまうので、決定力不足の印象が強くなってしまうんです。つまり、“ゴールを決める力”が不足しているのではなく、“試合を決める力”が不足しているんでしょうね」(同ライター)

 確かに今年に入ってウズベキスタンに5-1、イラクに4-0、昨年秋には北中米の雄ホンジュラスを6-0で粉砕したりと、得点を取っているイメージがないわけではない。しかし、これらのすべてが親善試合であり、結果を求められる試合ではない。まだまだW杯予選は始まったばかりだが、そろそろ本番に強い日本代表を見たいと、切に思う。
(文=沢野奈津夫)