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私は中学校の修学旅行で金閣寺と銀閣寺の両方を訪れて以来、長いこと銀閣寺の方が好きだった。だから大学時代の4年間は銀閣寺の近くに住んだ。金閣寺の"バブリー"(という言葉がありました)な感じがキライだった。何もキンキラキンにしなくても……。

○世の中がキンキラキンになってもいい

ところが、先だって次男と共に15年ぶりくらいに金閣寺を訪れた。すると私が歳をとったせいか、金閣寺もそれなりに良いなと思った。学生時代から一周回って味わいを感じるようになったのだ。

足利義満があえて金箔を張ったのも、往年の秀吉がキンキラ金を愛したのも、「儚い夢」といいますか……ワビサビというよりはセツナとでも呼ぶのだろうか。

ところが40年ほど歳の離れたうちの次男は、金閣寺にはあまり興味を示さなかった。むしろ子供ウケしなさそうな詩仙堂のコケに興味を示したので驚いた。コケですよコケ……。私は子ども時代には恐らくコケには全く興味を示さなかったと思う。普通にキンキラキンの金閣寺を面白がって興味を示しただろう。

何が言いたいかというと……。

私は1970年生まれだ。正直なところ私よりも上の世代の、バブル世代的な「元気いっぱい夢いっぱいみんな仲良く頑張ろう!」(かなりデフォルメ)のノリは好きではなかった。

ところが、最近、自分より下の世代の方々の相対的人数が増えてくるにつれ、そうしたキンキラキンなノリに対して、ある種の刹那的な魅力を感じてきたのだ。

私よりも若い世代があまりにワビサビやコケ好きだったりすると、もう少し世の中がキンキラでも良いのかなと。一周回ってそんな風に思うように。

そんな単純な話でもないが……こういうのは単純に話した方が面白い。金閣寺と銀閣寺とでは、どちらが好きですか?

<著者プロフィール>
片岡英彦
1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサー等を経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。企業のマーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2015年4月より東北芸術工科大学にて教鞭をとる。