カブス・和田毅【写真:田口有史】

写真拡大

7回無失点で昨年8月24日以来の白星、地元メディアから「ドクターK」の異名も

 カブス和田毅投手が17日(日本時間18日)のインディアンス戦に先発し、7回4安打無失点、6奪三振2四球の快投で今季初勝利を挙げた。地元メディアは、登板6試合目で待望の1勝目を手にした日本人左腕について、「ドクターK」「この日の打線同様に重要」と絶賛。試合は17−0でカブスが圧勝している。

 和田は初回にピンチを迎えた。2死一、二塁とされ、レイバーンにレフトへのヒットを浴びる。二塁走者のブラントリーは三塁を回ったが、レフトのコクランが完璧なバックホーム。ブラントリーを本塁で刺し、無失点で切り抜けた。

 さらに、直後の攻撃で味方打線が一挙6点を奪取。和田は勢いに乗った。

 2回は先頭打者のゴメスに粘られたが、9球目の81マイル(約130キロ)のチェンジアップで三振を奪うと、地元テレビ局「CSNシカゴ」の実況は「3つ目の三振です。ドクターK!」と伝えた。「ドクターK」は、メッツなどで活躍したドワイト・グッデン氏、ドジャーズなどで活躍した野茂英雄氏ら三振を量産するタイプの投手に使われる異名となっている。

 カブス打線は3回にも4点を加え、大量得点で援護。和田も二塁を踏ませない力投で応える。7回無失点のピッチングで、昨年8月24日のオリオールズ戦以来となる久々の勝利を飾った。

今季最長となった「7イニング」に高い評価 「打線と同じぐらい重要だった」

 ESPNは速報で、ワンサイドゲームの中で見せた和田の素晴らしいピッチングについて「意味するところ」というコーナーで高く評価。今季最多の貯金7としたカブス打線の爆発の重要性を指摘する一方で、和田にとって今季最長となった「7イニング」という数字に注目している。

「ワダがマウンドに立っている時間が打線と同じぐらいに重要だったかもしれない。確かに、彼は大きなリードを手にしたが、彼はインディアンスの打線相手に何度も切り抜け、決してリードを吐き出さなかった。過去の彼の登板では失速もあったが、ワダは今回中盤での疲れも見せなかった。7イニングまで投げ抜き、わずか被安打4だった。打線から輝ける活躍を受けたカブスは彼のこのパフォーマンスを必要としていた」

 和田は今季、6回以上を投げ抜くことができていなかった。左太ももの張りで開幕を故障者リストで迎えた左腕のコンディションを考慮していたのか、名将ジョー・マドン監督は早めの交代を告げることが多かった。しかし、この日は違った。

 指揮官は「素晴らしい投球だった。速球を軸とした攻めの投球ができていた。いつもこういう投球を続けてほしい」と絶賛している。

 カブスはナ・リーグ中地区でカージナルス、パイレーツに続く3位ながら、35勝28敗と好成績を維持している。7イニングを投げ抜き、ブルペンの負担を軽減した和田は、プレーオフ進出に向けたキーマンとなるかもしれない。