納豆を食べたら半日後に呼吸困難になった--。納豆アレルギーの患者はそう多くはないが、ひと度発症すると重い症状が出る。このほど、横浜市立大病院皮膚科の猪又直子准教授らのグループにより、納豆アレルギーの患者の多くがマリンスポーツ歴を持つことが判明、さらにその原因も突き止めた。

 猪又准教授らが、2004年以降に受診した納豆アレルギーの患者を調べたところ、サーフィンやスキューバダイビング、潜水作業員など、普段、長時間海にいる人が80%以上を占めたという。
 「食物アレルギーでは普通、数分から1時間以内に症状が出ますが、納豆アレルギーの場合は症状が出るまでに5〜14時間もかかる。理由は、納豆アレルゲンが納豆のネバネバ物質によって腸内でゆっくりと消化されるためではないかと推測されます。そのため、症状が出ても納豆が原因であるとわかりづらいのです」(医療ライター)

 しかし、罹れば全身に蕁麻疹が出たり、呼吸困難になるなど、アナフィラキシーの症状が出る。では、なぜ海で過ごす時間が長い人に多いのか。
 「クラゲの触手に納豆の“ネバネバ成分”と同じ物質が含まれており、海でクラゲに繰り返し刺されたことで、アレルギー体質になってしまうようです」(同)

 今回の発表に関し、山梨医科大名誉教授が言う。
 「食物アレルギーは、口から食べる物だけで発症するわけではありません。皮膚は外から体を守る壁ですが、クラゲに刺されたことにより、その皮膚を通してアレルゲンが体に入ってくることは十分あり得ます。画期的な発見ですよ」

 猪又准教授は、「納豆アレルギーの可能性があれば、まずマリンスポーツ歴を患者に確認することが診断に役立つ」と話している。夏本番に向け、海辺の民宿で納豆を食べ苦しむことがないように心当たりのある人は調べてみては?