株主総会の記念品はトヨタのメッセージ動画が見られる液晶モニター(モニター充電用のミニUSB付き)、QUOカード(1000円分)。

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4月28日、約5年間は売却ができないが元本保証で最高2.5%の利回りの配当が確定していて値上がり益も狙える株(正式には「AA型種類株式」という)を発行したいと発表したのがトヨタ自動車。リスクを取りたくない個人投資家にとっては、喉から手が出るほどほしい株だが、発行には株主総会への参加者の3分の2以上の賛成が必要となる。さっそく、6月16日の株主総会の様子をレポートしよう。

>>第一弾の記事はこちら(【速報!】元本保証&配当利回り最大2.5%で値上がり益も狙える新トヨタ株が発行へ!個人投資家が知っておきたいその仕組みとは?)

注目の新トヨタ株の発行提案は第7号議案。
株主総会は第1から第5会場までが用意された

 まず、トヨタ自動車(7203)が発行提案を行なった新株の内容から説明しよう。新株の正式名称は「AA型種類株式」という。この新トヨタ株の価格は特定日のトヨタ株の株価の26〜30%増しで決定され(事前に購入希望価格を募りその需要の強さで決めるブックビルディング方式による)、100株単位の申込みとなる。この株は、約5年間は売却ができないが、それ以降は発行時の価格での売却が可能になる。つまり、トヨタが破綻したりしない限り元本が保証されるのだ。

 そして、なんと配当ももらえる。1年目は利回り0.5%、2年目は1.0%と0.5ポイントずつアップして5年目に2.5%になり、以降はこの利回りが継続される。さらに株の大きな魅力である値上がり益についてはどうか。新トヨタ株の発行価格自体は非上場のため変動しない。ただ、5年後以降は売却(トヨタへの買取請求)の他にトヨタの普通株への転換も選ぶことができる。つまり、トヨタの株価が新トヨタ株の発行価格を上回っていれば、普通株に転換してそれを売却することで値上がり益も獲得できるのだ。

 こうした魅力的な投資先が誕生するのかどうか、多くに人が見つめる中、6月16日の午前10時、トヨタ自動車の株主総会が愛知県豊田市のトヨタ自動車本社にて始まった。ちなみに今回の総会みやげは、クオカード1000円分とトヨタの企業紹介が映像で見られる「ブックde ムービー」だった。

 トヨタの株主総会は第1会場から第5会場までが用意されており、複数の会場をモニターでつなぐことで各会場からでも質問ができるようになっていた。定足数確認に続き、当日の議案内容が紹介され、豊田章男社長のメッセージも含めた事業報告そして会計監査報告が始まった。個人株主からは、マツダとの提携や水素カーMIRAI、オリンピックのスポンサード、株主優待の新設の考えなどについての質疑があり、回答が語られた。

 そしていよいよ議題は、第7号議案「種類株式発行に係る定款一部変更および募集株式の募集事項の決定を取締役会に委任する件」に。まずは、変更理由を豊田社長が読み上げ、その後質疑応答に。

株主からの質問に対する
経営陣の“良く練られた”応答の中身とは?

株主 この株の発行でどんなメリットがあるかわからない。会社側、株主側それぞれにどういうメリットがあるかを教えてほしい。こちょこちょ書いてあるが、読み切れない。また、自己株式の買い取りが込みなのはお金がショート(減ってしまう)してしまうので、どこが良いのかよくわからない。

小平信因副社長(以下、小平副社長) まず、我々の想いですけども、現在、グローバルな競争環境が厳しくなっており、また電子、情報、ITなど新しい分野の変化も激しい。その中で、持続的な成長をしていくには中長期の視点で、次世代に向け腰を据えて取り組むことが必要と思っている。リーマンショック等もあったが、金融情勢にかかわりなく資金確保をはかりたい。研究開発の結果がでるには中長期の時間がかかる。その時間に対応した資金調達をはかりたい。

 また、この種類株は最低5年間売却できない。多様な意見を中長期的な視点でもらうことで、当社のガバナンスに資すると考えている。発行価格は普通株の120%以上。5年後には普通株への転換や買い取りもおこなえる。自己株取得は希薄化防止のため。これとは別に自社株消却をおこない、株主の皆様へ還元をする。

株主 いや、よくわかりません! 自己株を取得したら、この場合は20%しか残らない。そんなに儲かる話ではない。普通の増資でいいんじゃないでしょうか。安定株主を確保したいなら優待を設ければいいのでは?長期保有の株主に対して優遇を設けるとか。

豊田章男社長(以下、豊田社長) 先ほど申し上げたとおりです。種類株の発行は、選択の機会を提供するものだと考えている。誰かが損をするという話でもない。5年間売れないというリスクがあるので、元本は保証される。現在、日本の金融資産は1700兆円ほどあるが、ほとんど預金になっている。1.5%の利率で、5年間売れないが元本がもどってくる、このチョイスを選ばれるか。いつでも換金したいのであれば普通株と。いろいろな選択を提供して資本市場を活性化する役割を、民間企業であるトヨタが半歩進めたとお考えいただきたい。

株主 5年間売れない、これは社債のようでは? 今回の(種類株との)違いは発言権にあるのですか。また、種類株主の総会は同日開催とありますがこれは? 一般の人でも買えますか? 買えるのはてっきり信託銀行などの大きなところかと思っていましたが、証券会社で買えるのですか? また死ぬまで持ちたいという方もいるでしょうが、相続という形で子孫につなげるのはどうでしょうか。長期でもって頂きたいという会社の考え方は、一株主として嬉しい。質問をまとめると、5年後はいつでも売れますか? 証券会社で売れるのか? 上場ですか、非上場ですか?社債との違いはなんですか? 

小平副社長 AA型種類株式は、種類株である以上、譲渡制限がある。5年後には普通株への転換か取得請求が可能だが、自由な売買はできない。本総会で発行を承認されれば、取締役会で発行決議をおこなう。募集期間のお知らせを経て、東京証券取引所の適時開示、当社HPでの開示をする予定です。また、(今株は)一般公募となるので、引受の証券会社で申し込みをしてもらう形になる。社債との違いについては、AA型種類株式には、譲渡制限があり、その間換金性がない。社債は、債権であり流通性があるため、投資家の判断で売却ができる。またAA型種類株式では、中長期の視点から株主から「率直かつ多様なご意見」をいただけることで、ガバナンスに資すると考えている。種類株主総会は、特別の必要がない限り、普通株主の総会と同日に行う。

株主 トヨタの資金力を考えると、発行は不要ではないか? また株主の最終的な意思表示の手段の1つとして、売却するという手がある。5年間売る権利が奪われたAA型種類株式で、どこまでガバナンスが改善されると考えて、種類株式はそれにどう寄与できるのか? また資金調達に際し、債券発行とのコスト比較はしたか?

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