『マウスガード 1152年 秋』(デイビッド・ピーターセン著 柳田真坂樹・滝野原南生訳/小学館集英社プロダクション)

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「ガンバの冒険」の3Dアニメのキャラが「コレジャナイ!」と物議を醸している。
アニメが大傑作かつキャラに馴染みがある。だから、まったく違うモノにチャレンジする、というのならいい。
もしくは、原作(こちらも大傑作)のイラストのイメージで行ってくれるのならいい。
なのに、なのに、アメリカンな、しかもちょっと古いタイプになってるのが、コレジャナイ感の最大の原因だろう。
(とはいえまだ期待しています『GAMBA ガンバと仲間たち』2015年10月10日公開)

ガンバの冒険meets指輪物語に進撃の巨人フレーバー


と、そんなモヤモヤを抱えてしまっているみなさんにオススメ『マウスガード』!!!!
ガンバの冒険meets指輪物語に進撃の巨人フレーバー。
アイズナー賞ベスト子供向け出版賞、ベスト・グラフィック・アルバム(リプリント)賞を2008年にW授賞したアメコミである。
その『マウスガード』シリーズの第1巻『マウスガード 1152年 秋』の日本語版が出た。

主人公は2足歩行のネズミたち。
キャラクターが、かわいいのにシリアス、ハードなのにキュート。
蛇のタマゴをガシガシ剣でつぶすシーンもあって、生きるための過酷な描写も手抜きなし。
刺されればしっかり血を流すリアルさを保ちながら、「赤いマントをはおり剣を持つ」といったキャラ化もバッチリ。
MOUSE GUARD公式サイトにキャラクターがずらり、ぜひみてみて!

ネズミ、蛇、蟹、イタチ!


また設定が渋い。
捕食者に襲われぬよう厚い城壁を持つ城塞ロックヘイヴンを建造したネズミたち。
しかし、城塞で守ることのできるマウスの数は限られている。
いったい、どうすべきか?(このへんの設定が『進撃の巨人』っぽい)

第1巻『マウスガード 1152年 秋』の主役たちは、3匹。
パトロール隊長、31歳、青マントのケンズィ。
喧嘩っ早い28歳、赤マントのサクソン。
無鉄砲な19歳、緑マントのリアム。
こいつらが城塞ロックヘイヴンを旅立ち、裏切り者の存在に気づくところから物語は始まる。

漫画であり画集である


圧巻なのは、何匹もの蟹とネズミ達の戦闘シーン。
蟹は擬人化されず、リアルな蟹で、圧倒的にデカイ。
セリフは最小限、漫画的擬音、効果線はほとんどなし。
ネズミたちの戦いが約10ページにわたって繰り広げられるのだ。

しかも、巨大な敵がいる状況で、ネズミたちの争い、裏切り陰謀もあり。
全ページカラーのしっかりコマ割りされた絵物語。
画集としても楽しめる絵のクオリティ。
1巻『マウスガード 1152年 秋』には、イタチは出てこないが、イタチ大戦があったという設定のようなので今後出てきそうである。楽しみ!(米光一成)