シンガポールを崩せずスコアレスドローに終わった日本。よもやの結果に、韓国メディアでも驚きの論調が並んだ。写真:サッカーダイジェスト

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 2018年ワールドカップ・アジア2次予選で、日本が格下のシンガポールにまさかのスコアレスドローに終わったニュースは、韓国でも大きく報じられている。

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「日本サッカー、シンガポール戦で衝撃ドローの混乱」(スポーツ新聞『スポーツ京郷』)
「ホームで154位のシンガポールにドローの屈辱」(総合ニュースメディア『NEWSen』)「日本対シンガポールはドロー、不安定に出発した日本」(一般紙『世界日報』)
など、ほとんどが“驚き”を煽るような見出しを付けている。
 
 内容的にも、「本田、香川、岡崎、長谷部など欧州組を揃えたベストメンバー、さらにはホームだったにもかかわらず、ゴールを奪えずサポーターを失望させた」というニュアンスで共通しているが、一部にはこんな記事もあった。
 
 例えばサッカー専門メディア『FOOTBALLIST』は、「ホームファンから揶揄を受けた日本、Jリーグ発足後としては最悪のスタート」とした記事のなかでこう報じている。
 
「ワールドカップ・アジア予選の初戦で日本が勝利を逃したのは、93年のJリーグ発足後初めて。98年大会、06年大会、10年大会、14年大会のいずれの予選でも、初戦では常に快勝してきた」
 
 総合スポーツニュースサイト『スポーツニュース』は、「平均3.7ゴールだった日本、シンガポールに引き分け」と題し、「ハリルホジッチ監督就任後の3試合で、11得点・1失点という完璧な試合内容を見せてきた日本だが、結果が求められる大事な一戦でまたしても決定力不足という“習慣病”が出てしまった。グループEの顔ぶれを見るかぎり、最終予選進出に問題はないだろうが、会心のスタートを切って“生まれ変わった日本”を見せたかった新指揮官の意図は泡と消えた」と指摘している。
 総合ニュースメディア『デイリーアン』は独自の見解を示している。同メディアは「日本サッカーの結果、同じ悩み、分かれた結果」と題した記事で、日本と韓国の結果を引き合いに出しながらこう論じた。
 
「韓国はアウェーでミャンマーに2-0で勝利した。しかし、一方的だった内容からすると物足りない結果だ。ボールを支配し目立ったミスもなかったが、流れのなかで相手の密集守備を崩すパスワークを磨く必要がある。
 
 一方、日本は“異変”の犠牲者となった。32本のシュートを記録する一方的な展開ながらスコアレスドローに終わった光景を見て、かつて韓国が喫した“モルディブ・ショック(06年アジア2次予選で0-0のドロー)”を連想させた。自陣に引いてくる相手の攻略法を探せず苦労するのは、日本も韓国も同じだ。
 
 ただ、韓国は日本と違ってセットプレーという武器があり、しかもキ・ソンヨン、ク・ジャチョルといった一部の主力が抜けた1.5軍で臨み、アウェーで勝利したという点では、より成功したと言える」
 
 韓国も日本も、極端に引いた“超守備的サッカー”で挑んでくる相手をいかに攻略していくかが、今後の課題となるのは間違いないだろう。同記事も「韓日は9月にそれぞれラオス、カンボジアとの第2節を控えており、8月の東アジアカップまで“密集守備の攻略法”という共通の悩みを抱えることになった」としている。
 
 日本がシンガポールに喫した痛恨のスコアレスドローは、韓国にとっても対岸の火事ではなさそうだ。
 
文●慎 武宏(スポーツライター)