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東京大学(東大)は6月16日、これまで存在が不確かであった、電池の充電を早くする「中間状態」を人工的に作り出すことに成功したと発表した。

同成果は東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻の山田淳夫 教授、西村真一 特任研究員らの研究グループによるもので、6月12日に独化学誌「Angewandte Chemie International Edition」に掲載された。

電池には充電状態でも放電状態でもない「中間状態」があり、これが反応中に現れることで充電を早く行うことができるとする学説については、そもそもそのような状態が存在するのか、存在したとしてどのような場合に現れるのかという漠然な議論に留まっていた。

今回の研究では、電気を蓄える物質の元素の構成比や熱処理の条件を最適化することで、室温で長時間安定に存在する「中間状態」が人工的に得られることを発見し、その存在を証明した。

また、「中間状態」を分析した結果、電子の並びが縞状に規則正しく模様を描き、これを邪魔しないようにイオンが自発的にその位置を柔軟に変えていることがわかった。

このような状況下では、通常観測される充電状態や放電状態よりも電子やイオンがはるかに高速に移動できることも判明。これにより、「中間状態」を発現させることが、充電速度を早くする上で重要な方向性となることが明らかとなった。

同研究グループは「電池の充電速度を速くするための一般的な指標が得られ、これをもとに材料の開発を行い、充電条件を最適化することで、充電時間の短縮が効率的に行われる。電池の充電時間が短縮されることで、生活の様々な局面での利便性が向上することが期待される」とコメントしている。