23人全員が出場…後半の攻撃に垣間見えた、なでしこの先を見据えた戦い

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文=江橋よしのり

 FIFA女子ワールドカップ カナダ2015はグループステージ第3戦に突入。なでしこジャパンは現地時間16日(日本時間17日)にエクアドル女子代表と対戦し、1−0で勝利。3戦全勝で首位通過を果たした。なでしこジャパンは23日(同24日)に決勝トーナメント1回戦をバンクーバーで戦う。またグループCのもう一試合は、カメルーンが2−1でスイスを破った。

 なでしこはこのエクアドル戦で、菅澤優衣香を最前線に、大儀見優季を引き気味に配置し、攻撃の幅を広げることを試みた。前半は引いた大儀見が起点となり、人の動きに連動性が生まれた。

 また、開始5分に生まれた得点シーンは、DFの鮫島彩から左サイドの宮間あやに素早くボールが入り、宮間のクロスに菅澤が飛び込み、そのこぼれ球を最後は大儀見が押し込んだもの。スピーディーな展開から生まれたゴールは決勝トーナメントに向けても明るい材料だ。

 ただ、得点はこの1点だけ。2試合で16失点しているエクアドルが相手だと考えると、物足りない。「もっと取れるとよかったけれど…」というのも、選手たちの本音だろう。

 しかしキャプテンの宮間は「3勝はみんなが踏ん張った結果。勝ち点3を取れたこと、無失点で終えたことは自信にしたい。そのことまで否定的にとらえてしまってはいけない」と前を向く。」

 実際、エクアドルから1点取ろうと10点取ろうと、先々のことを考えると、得られるものに大きな差はない。むしろこの試合の後半を、「ドイツやアメリカと対戦した時に、いかに攻めるか」というテーマにつながる攻撃についやしたことは、評価されるべきだろう。

 その後半の攻め方とは、鮫島や大儀見が見せたように、相手ゴールに背を向けた状態からワンタッチで縦方向にパスを出したこと。素早いタイミングで縦に相手を揺さぶることが、決勝トーナメントで得点を挙げるカギとなる。

 また、終了間際には今大会初めて岩渕真奈が登場。ドリブルが得意で、自分でボールを運びながら周りの選手も使える岩渕が入ったことで、自然と味方同士の距離感がよくなった。岩渕からのパスで大儀見が相手DFラインの背後を取り、再び岩渕が受けてシュートを放った場面などは、今後につながるプレーだった。

 岩渕は試合後、「私の特徴を分かってくれているので、いい距離感でプレーできたと思います。大儀見さんは受けてくれるし、宮間さんもいいパスを出してくれる。みんなの特徴を生かせるサッカーができたら、もっとチームはよくなると思います」とコメント。また佐々木則夫監督は、「3試合で(登録メンバー23人)全員がピッチに立つことができた。これから(決勝トーナメント1回戦までの)1週間で、軸になる選手を見極めて、準備していきたい」と抱負を語った。

 なでしこは、グループステージでスッキリするような勝ち方ができなかったが、チームは先を見据えて大会を過ごしており、「もっといいサッカーを、これから構築することができる」と前を向いている。

 1週間後、一段階成長したなでしこの姿を見ることはできるだろうか。