2015年シーズン、賞金女王は誰だ!?
◆女子プロゴルファー実力診断(2)

過去5年の日本女子ツアーの賞金女王は、2013年の森田理香子を除いて、他4度は韓国勢が獲得した。特に昨季は、賞金ランクの上位4選手が外国勢だった。昨年、日本人最高位(賞金ランク5位)で女王争いに加わって、今年も現在賞金ランク5位と好位置につけている成田美寿々の他に、賞金女王の栄冠を狙えるような選手はいるのか。再び、ゴルフジャーナリストの三田村昌鳳氏が女子プロゴルファーの実力を診断。今回は、有力な日本人選手が多く顔をそろえる、賞金ランク6位〜10位(6月15日現在)までの選手を分析する。

※賞金ランク等、6月15日現在のもの。以下同。

■申ジエ(27歳)
賞金ランク6位(3829万4000円)
今季ツアー1勝:サイバーエージェントレディス(5月)

1988年4月28日生まれ。韓国出身。
ツアー通算10勝(ミズノクラシックを含む)。身長155cm。血液型A。
【過去3年の成績】
2014年 優勝4回/賞金ランク4位(1億414万8525円)
2013年 優勝0回/賞金ランク47位(2045万2000円)
2012年 優勝0回/賞金ランク45位(1999万6000円)

 昨季から日本ツアーに主戦場を移した申ジエ。2009年には米ツアーの賞金女王となって、翌2010年には世界ランキングの1位にも輝いた。その実力はもちろん、技術、経験、メンタルには、文句のつけようがない。

 特に、スイングがいいため、アイアンショットの精度はピカイチ。ショートゲームのうまさを含めて、日本ツアーでは群を抜いている。ただ、世界最高峰の米ツアーから撤退したように、一時期の圧倒的な"強さ""うまさ"というのは、今はない。全体的な調子を含めて、やや陰りが見え始めている。ちょっと精神的に停滞しているというか、休憩しているような感じか。

 完全復活を図るには、再度、目標を作ることだろう。それが見つかるようだと、手に負えない存在になるかもしれない。

■笠りつ子(27歳)
賞金ランク7位(3693万5583円)
今季ツアー1勝:アクサレディス(3月)

1987年11月4日生まれ。熊本県出身。
ツアー通算3勝。身長160cm。血液型AB。
【過去3年の成績】
2014年 優勝0回/賞金ランク18位(4826万2339円)
2013年 優勝0回/賞金ランク14位(5480万9872円)
2012年 優勝1回/賞金ランク12位(6706万4184円)

 2006年にプロ入りし、2010年に初シードを獲得して以降、コンスタントに結果を出してきた笠りつ子。2011年にツアー初優勝を飾って、翌2012年のヤマハレディースで2勝目を飾った頃は、すごく勢いを感じた。

 しかし最近は、ちょっとおとなしい感じがする。3、4年前のグイグイ行く雰囲気がなくて、ちょっと中だるみしているような気がする。体もしっかりしていて、安定したゴルフはしているけれども、突き抜けていくようなパワーが伝わってこない。

 個々の記録を見ても、パーオン率6位、パーセーブ率5位と、安定感を示す記録の順位は高いけれども、平均バーディー数は10位と、やや爆発力に欠ける。その数字を高めることができれば、順位や賞金ももっと上がると思うが......。

■飯島 茜(31歳)
賞金ランク8位(3688万2400円)
今季ツアー1勝:Tポイントレディス(3月)

1983年7月11日生まれ。千葉県出身。
ツアー通算7勝。身長157cm。血液型O。
【過去3年の成績】
2014年 優勝0回/賞金ランク41位(2331万6693円)
2013年 優勝0回/賞金ランク44位(2239万6508円)
2012年 優勝0回/賞金ランク31位(2910万3628円)

 ここ数年はやや低迷していたけれども、今季はこれまで一生懸命やってきた成果というか、「飯島茜」という選手が持っているポテンシャルを、うまく出せているように思う。

 飯島は、男子プロの片山晋呉に触発されて、オフには片山から学んだ練習方法やトレーニング方法をずっと取り入れてきた。それによって、今までとは違った選手としての"スキル"というものを身につけた。その点は、高く評価しなければいけない。ただ、残念ながら飯島も30歳を越えて、シーズンを通して戦うには厳しい年齢になってきた。もう少し若いうちから今やっていることを継続していれば、今頃とんでもない選手になっていたかもしれない。

 選手としての成熟度はピークにあるけれども、賞金女王を獲得できるかどうかは微妙。若い選手たちの勢いがある分、正直厳しいかもしれない。

■藤田光里(20歳)
賞金ランク9位(3323万1066円)
今季ツアー1勝:フジサンケイレディス(4月)

1994年9月26日生まれ。北海道出身。
ツアー通算1勝。身長165cm。血液型O。
【過去3年の成績】
2014年 優勝0回/賞金ランク38位(2714万1305円)
2013年 プロテスト合格(QT1位)

 ツアー本格参戦2年目の藤田光里。ここまでコンスタントに結果を出していて、昨季「大型新人」と称された、評判どおりの活躍を見せている。今季は、フジサンケイレディス(4月24日〜26日/静岡県)でツアー初優勝を飾って、さらなる躍進が期待される。

 経験がない分、大叩きをしたり、プレイにはややムラがあったりするものの、彼女は結構飛距離があって、何より爆発力があるのが魅力。要は、ビッグスコアを出せる力があるということ。勝負の世界においては、大きなメリットだ。

 フジサンケイレディスでは、土壇場でバーディーを奪って優勝を決めた。そういう勝負強さ、高いポテンシャルを秘めているという点で、メンタルも「4」ポイントと高く評価した。日本人で賞金女王を狙える選手のひとりだと思う。

■渡邉彩香(21歳)
賞金ランク10位(3222万2923円)
今季ツアー1勝:ヤマハレディース(4月)

1993年9月19日生まれ。静岡県出身。
ツアー通算2勝。身長172cm。血液型A。
【過去3年の成績】
2014年 優勝1回/賞金ランク11位(7236万7610円)
2013年 優勝0回/賞金ランク46位(2074万8000円)
2012年 プロテスト合格(QT29位)

 日本人選手の中では、賞金ランク5位の成田美寿々(22歳)同様、大きな期待をかけている選手のひとり。ワールドレディスチャンピオンシップ・サロンパスカップ(5月7日〜10日/茨城県)で測定された「公式ドライビングディスタンス」でもトップ(総平均266.9ヤード)だったように、飛距離があるというのが最大の魅力。

 あとは、成田と同じく、その武器をどう生かしていくか。第一に、ショットの精度を高めること。そして、"飛ぶ"ということは、"曲がる"ことも加味しなければいけないので、それに対応したプレイの幅を広げなければいけない。そのためには、やはりメンタルの強化と経験を重ねていくことが重要になる。

 何にしても、スケールが大きくて、将来的に爆発するポテンシャルの高さをものすごく感じる。賞金女王になる資質を持ち合わせ、これからひと回りもふた回りも大きくなっていきそうな可能性を秘めた選手だ。海外の舞台にもどんどん出て行って、いろいろな経験を積んでほしい。2020年の東京五輪での日本勢の飛躍を期待するうえでも、彼女の成長は欠かせない。

【プロフィール】
三田村昌鳳(みたむら・しょうほう)
1949年2月24日生まれ。週刊アサヒゴルフを経て、1977年に編集プロダクション(株)S&Aプランニングを設立。ゴルフジャーナリストとして活躍し、青木功やジャンボ尾崎ら日本のトッププロを長年見続けてきた。初のマスターズ取材は1974年。(社)日本プロゴルフ協会会員外理事。

三田村昌鳳●解説 analysis by Mitamura Shoho text by Sportiva