[日本 1-0 オマーン]終了間際に決勝点を奪った久保竜彦(中央)が歓喜の咆哮。この一撃によって、ジーコ監督の信頼を勝ち取った。 (C)SOCCER DIGEST

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 ワールドカップ・アジア予選がすべてホーム&アウェー方式に統一されたのは、本大会出場枠が現在と同じ「4.5」になった2006年ドイツ・ワールドカップ予選からだった。
 
 継続的に本大会に出場していた日本はシード国としての地位を確立し、06年大会では32か国を4チームずつ8組に分けた1次予選から登場。10年大会と14年大会は、20か国を4チームずつ5組に分けた3次予選からの参戦となった。
 
 今大会から予選のフォーマットが再び変更され、2019年アジアカップ予選も兼ねた2次予選を40か国で実施。5チームずつが8つのグループに分かれ、日本はシリア、シンガポール、カンボジア、アフガニスタンとともにグループEに組み込まれた。
 
 果たして、6大会連続のワールドカップ出場を狙う日本にとって、この組分けはどのような影響を及ぼすのだろうか。過去のワールドカップ予選の初陣とともに振り返ってみたい。
 
 まず、各大会の予選スタート時点での各国のFIFAランキングはページ下の表のとおりだ。ランキングはあくまでもひとつの目安であり、真の実力を反映したものではないが、過去3大会と比べて最も目につくのが、日本以外に「ふた桁」順位のチームが同グループ内にいないことだ。
 
 もっとも、日本を含めたアジア全体の順位が以前よりも下がっているため一概には言えないが、今回の日本の組分けは過去のどの大会よりも恵まれたものとなったのは間違いない。来年9月からスタートするアジア最終予選に向けて、「結果を出しながらチームを作っていく」ことが求められるハリルホジッチ監督にとっては、理想的な環境だろう。
 
 唯一、ケアすべきなのは2位までが最終予選に進出できた2010年、2014年大会の3次予選とは違って、今回2位になると全8グループのうちの成績下位4か国は最終予選に進めない点。前回のザッケローニ監督の時のように、4節までに最終予選進出を決めた後、5節の北朝鮮戦(●0-1)にサブ組を多く起用して敗れ、6節のウズベキスタン戦(●0-1)も落として2位に転落するような事態は避けなければいけない。
 
 そうした観点で見ると、過去3大会のなかでは、最終予選に進めるのが1位のみだった2006年ドイツ大会の1次予選が、最もシビアな戦いだったと言える。04年2月18日に行なわれた初戦のオマーン戦で、もし勝利を収められなかったら――。ジーコ監督率いる日本代表は、最終予選を前にして思わぬ苦境に立たされていたかもしれない。
「これがワールドカップ予選の怖さ」「簡単な試合などひとつもない」といったコメントは、これまで予選を戦うなかで日本の選手や監督から何度も聞かされてきたが、本大会への第一歩となる初陣ほど、この言葉が当てはまる試合もないだろう。
 
 ホームで迎える初戦で、相手は格下。「白星スタートが当然」と見られる雰囲気のなかで戦う選手たちには、大きなプレッシャーが圧しかかる。
 
 04年2月のオマーン戦は、まさにそういう試合だった。Jリーグ開幕前で選手のコンディションが上がりきっておらず、前半には中村俊輔がPKを失敗。イングランドで活躍していたGKアリ・アルハブシを中心とした相手の堅守を、なかなか打ち崩せなかった。
 
 0-0のまま終盤を迎え、引き分け濃厚と見られたアディショナルタイム、日本を救ったのが途中出場の久保竜彦だった。ゴール前でこぼれ球が足もとに転がってきたチャンスを逃さず、日本は辛くも白星スタートを飾ったのだ。
 
 結局、ジーコ監督率いるチームは、1次予選を6戦全勝で勝ち上がっている。ただ、突破を決めた敵地での5節・オマーン戦も、焦れるような展開の末に鈴木隆行の決勝点を守りきって1-0と勝利。当時のオマーンは、堅守速攻を武器とした正真正銘の曲者だった。