香川真司(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)

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選手とのコミュニケーションを重視するハリルホジッチ監督は、多くの選手と個人的に面談し、アドバイスをしているようだ。武藤嘉紀は「自分に足りないことをしっかり刺激してくださって、自分の向上につながる指導は受けました」と言う。

では、香川真司は何と言われているのか。監督と何を話したか聞かれた香川は短く答えた。

「まだ話していないです」

だからだろうか。香川は先日のイラク戦で苦しんでいた。

「バイタルエリアだったり、ボランチの間でボールを受けるように監督から言われています。でも、イラク戦ではそこで受けられなかった」

トレーニングでは、守備ラインから3トップに縦パスが入り、そのボールをダイレクトでボランチに落としてサイドに展開している。つまり、香川はどう動くか、監督からの指示ではなく自分で生み出さなければいけない。

「ボールを引き出す動きは常にしたいし、中央でクサビのパスやボランチの間で受けるのは自分の良さでもある。そこでの配球を意識したいですが、なかなかそこのスペースはないし、マークがタイトに来る。その場合には裏を狙ったりスペースを空ける必要もあるので、それは試合によってやっていきたいと思います」

「前に早い時間帯はあってもいいですが、それがすべてじゃない。少し時間を作ってサイドで開いて受けてもいいですし、レベルが上になれば簡単に裏を取れるわけではないですが、ファーストチョイスは裏への飛び出しが求められている。それがダメだった場合はポジショニングを声を掛け合っていきたいですし、裏が空いているのなら3トップが裏を狙って、自分がタイミングをずらして入っていくようにしたいと思います」

香川の考えは、監督が他の選手にしている指示とは少し違っているかもしれない。本田圭佑ですら、ボールをじっくり持つと監督からダイレクトでパスするように指示される。岡崎慎司はサイドに流れるなと言われている。しかし香川はその創造性を生かすべく、自由が与えられているのだ。その自由と引き替えの重責に10番は応えられるか。シンガポール戦で香川は答えを出すことができるだろうか。

【日本蹴球合同会社/森雅史】