日本vsシンガポール 試合前日のハリルホジッチ監督会見要旨

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 日本代表は15日、試合会場の埼玉スタジアムで公式練習を行い、16日のW杯アジア2次予選・シンガポール戦に向けて最終調整した。練習前にはバヒド・ハリルホジッチ監督が公式会見に出席した。

以下、ハリルホジッチ監督会見要旨

バヒド・ハリルホジッチ監督

「我々のW杯が始まります。明日の試合は予選だが。すべての人が(日本の)勝利を待っている。我々のほうが強いと、みなさんが思っている。勝利しないことのほうが驚きになるぐらいの試合だと思う。ただ、監督としてはこの試合には罠が仕掛けられていると思っている。相手を過小評価してはいけない。

 この2日間、選手にはたくさんのことを話してきた。何人かの選手には『バカンスのことは考えるなよ』と言ってある。何人かの選手にとってはシーズンの最後でもある。集中した丁寧な仕事を最後までやってほしいと要求している。イラク戦と同じように、戦う意識と大きな野心を持ってほしい。選手のことは信頼している。私のメッセージを完璧に理解してくれていると思っている。

 明日の試合にはたくさんの観客が入ると思うし、良い雰囲気になると思う。サポーターの方々も一緒に戦ってくれると思う。良い試合をして、スペクタクルな試合にしたい。そして、みなさんを喜ばせたい。しかし、前もって勝利は決まっていない。試合が始まるまで規律を持ってやっていきたい。たくさんのことをやってきた。戦術もたくさんやってきた。選手はすべてのことを丁寧にやってくれたので、私も勝利を期待している」

―罠というのは?

「罠というのは、相手を過小評価し、集中と丁寧さに欠けるということだ。普通に考えれば、おそらくポゼッションは我々のほうが上回ると思うが、守備にも注意深くならないといけない。シンガポールは前線に足の速い選手がいる。カウンターで得点するチャンスもある。彼らはカンボジアに4-0で勝った。クオリティーがある証拠だ。我々の中にすでにバカンスのことを考えている選手がいるかもしれない。大変なことが起きるような驚きがあるかもしれない。W杯予選ということを考えないといけない。フィジカルもメンタルも100%の準備ができていないといけない。そうでないと我々の試合にはならない。

 フランス代表を見てほしい。歴史上、負けたことのないチームに負けてしまった。つまり私はすべての可能性を考え、警告している。試合の中で100%でない選手を見つけたならば、10分後に(その選手を)代えるかもしれない。そういう状態ではW杯に行けない。プレーするすべての選手が自分たちの100%を出さないといけない。これは絶対にやってもらわなければならない」

―選手から自己判断、自己主張をもっと出してほしいと感じることは?

「今のところは私のほうから話している。試合の中で多くのことを修正しないといけない。攻撃面でも守備面でも、FKについてもだ。昨日、そういったことをトレーニングした。ボールを持っているときのキックオフ、ボールを持っていないときのキックオフもトレーニングした。イラク戦の最初の5分に少し満足していなかったので、そういったスタートのところもトレーニングしてきた。

 選手は丁寧に仕事をしてくれている。『キミたちのほうからも話してほしい』ということも言った。今のところはよく聞いてくれている。そして、しっかり目を見てくれる。私だけでなく、いろんな人の話を聞いてくれる。今のところはうまくいっていると思う。このようなやり方を続けないといけない。日本がもう少しハイレベルなところでプレーしようと思うなら、この道を進まないといけない。これまで20数回のトレーニングをした。テクニカルなミーティングも、個人のミーティングも何度したか分からない。グループのミーティングも、23人のミーティングもあった。将来に関しては楽観的でいる」

―縦に速いサッカーを高温多湿のアウェーでも90分間続けるのか?

「現代では100%のフィジカルが準備できていなければ、ハイレベルなリズムでプレーするのは不可能だ。今回は4つのグループに分けた。各グループが違う方法でトレーニングしている。しかし、今回、一つの筋肉の問題も起きていない。合宿期間中の調整はすごく難しかった。国内組(の合流)を1週間、前に持ってきたかったぐらいだ。そういうことも含めて、来シーズンのカレンダーには少しアイデアを入れたい。日本代表に関して、もう少し野心を持ってもらいたい。

 各選手と個人面談した。日本代表でプレーしたければ、ここを向上してくれということを要求した。プレーにスピードがないチームは効果的なプレーができない。3試合で11点を取った。ただ、もっと取れたとも思う。イラク戦でももっと取れたと思う。イラクのほうも大きなチャンスを1、2回つくったが、それぐらいだった。こちらにデリケートな問題があったからだ。しかし、アジア杯での試合はどうだったか。そういったことも比較して見てほしい」

―結果を残したイラク戦と同じメンバーで臨むのか?

「可能性としては同じチームにする可能性もある。ただ、まだ確定ではない。私にとって、決まったメンバーはいない。どのポジションでも、すべての選手が自分の席を取るために戦わないといけない。それを各選手に言っている。もっともっと競争意識を高めたいと思っている。

 (8月に)中国で東アジア杯があるが、もっと国内組を使って、もっと正確な情報を得たい。今のところは海外組が(スタメンの)大半を占めるかもしれない。確かに彼らは戦術面や特にフィジカル面で、少しレベルが上かもしれない。ただし、国内組にもかなり期待している。彼らのパフォーマンスを上げるために私が要求していることを彼らはやってくれている。

 私が日本について3か月経ったが、ここまでで大きなことをもたらしたとは思っていない。我々が今まで何をしてきたかは先日の会見で伝えたが、あれだけやったとしても、あと2、3人は欲しい選手がいるので、まだ探している。どのような状態で彼らが合流してくるかも見続けている。

 我々は選手に言い続けている。スターはいない。スターはチームだと。もちろん、能力のある選手はいる。私はこのチームに関して自信と信頼を持っているし、次のレベルに行ける準備ができていると思っている。まだ向上させなければいけないことはある。戦術面、メンタル面。そこを強調したい。我々には何も失うものはない。FIFAランキングを見てほしい。日本は50位ぐらいだ(実際には52位)。50チームぐらい強いチームがいるということだ。それを徐々に上げていきたい。

 2年後、(W杯)予選を突破したら、世界でも有数の強豪国と対戦したい。我々よりも強いチームとどんどん対戦しないといけないので、そういうことも準備する。強豪国とやることで、学ぶこともある。我々がしっかり努力して、彼らに追いつかないといけない。選手には『明日、W杯が始まる』と言っている。W杯は、1か月やそこらで準備できるものではない。かなり前もって考えておかなければならない。それに関しては経験があるので、我々がしなければならないことは分かっている」

(取材・文 西山紘平)


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