インターネットはテレビを飲み込めない
2005年03月09日17時28分 / 提供:PJ
この原稿はパブリック・ジャーナリストとしての独立した私見であることをまず断っておく。
「インターネットがテレビを飲み込む。そして、テレビを消滅させてしまうという発言などしていない」と、堀江氏の苦笑いをテレビで見たが、私もそう思う。インターネットなら、個人が全世界に向かって自由に発言・発信できると思っている人が多いと思うが、それは間違いだ。それは実際には言語の壁があるとか、インターネットを見る人に限られるなどというレベルではない。
私は個人ブロガーであり、2000年当時インプレスTVの外部スタッフで「インターネットウォッチプラス」という番組を担当していたからよく分る。勿論、あの当時から時代は動いていて制約も変わっているのだろうが、インターネットとテレビが対立している現状ではあまり変化がないのではないかと思われる。
私が考える視点は、1)肖像権の扱い、2)音楽著作権の問題、3)報道番組における映像使用における秒数制限の問題−の3点だ。
肖像権の扱い
ジャニーズ事務所のタレントの写真がテレビ局のホームページ上といえども露出していないことでご理解いただけると思う。基本的にインターネットでの情報発信は相手の承諾を得ないとできない。さすがの地上波テレビ局といえども、泣く子も黙る勢いのジャニーズ事務所に写真をホームページに載せる了解がとれなかったのだろう。
では、地上波メディアにおいて、すべてが被写体の了解を得ての露出かといえば、そんなことはないと想像できる。かなり前の話で恐縮だが、浮気がもとで離婚が話題になったときの三田村邦彦氏。彼が阿波踊りをのんきに踊っている姿がたびたびテレビに登場したが、はたして彼はそういう文脈での映像使用を許可したのだろうか。
勿論、三田村氏がテレビ局を訴えてこないだろうという推論のもとのこと。ほとんどはテレビ各局の見切り発車であり、三田村氏がもし、ロス疑惑で問題になったM氏のようにひとつひとつ訴訟をすればことごとく勝利するのかもしれない。
話はそれてしまったが、客観・中立を標榜するライブドアのニュースであれば、ある程度の肖像権の黙認はあっていいのではないかと思う。なのに、記事を見ていただければ、スペースの制限がないインターネットなのに、あるべき写真がないことに気づかれる人も多いだろう。
私は堀江氏の彼女のハイレグ写真よりも、マツケンサンバのマツケンが馬に乗った写真を見たかった。だが、あるのは客席の風景だけ。このあたりの問題も、堀江氏がテレビとの友好関係を持つことによって、検討のテーブルにつくことができるのだと思う。
音楽著作権の問題
個人が市販されている曲を自分の映像作品に使うことはタブーだ。しかし、地上波のテレビ局では市販されている有名な曲をばんばん番組で使っている。その理由はテレビ局が音楽著作権団体と契約を結んで著作権使用料を支払っているからだ。
著作権使用料の支払い方はブランケット方式と呼ばれ、個別にいくらいくらというのではなく、一山いくらというような形で支払われている。私は放送局の指示で、番組で使った楽曲の名前を局プロデューサに提出したことがあるが、「その曲は高いから使うな」などといわれたことはない。
だが、インターネットではどうだろうか。個人であろうと組織・団体であろうと音楽を使用するときは個別に著作権者に了解を求めなければならない。そして、ほとんどの場合わずらわしいからと相手にもしてくれず、曲のイメージをそこなうとかなんとかで、二次使用が認められない。
このあたりの問題も、堀江氏がテレビとの友好関係を持つことによって、音楽著作権団体との交渉のテーブルにつくことができると思う。
報道番組における映像使用における秒数制限の問題
私は専門家ではないので、詳しくは知らないが、報道番組のスポーツコーナーなどでは、ある一定の秒数ならば映像使用が認められることがある。もっとも、最近ではこの規制は厳しくなっていて、イタリアのセリエAの映像は、フジテレビ以外では見れない状況になっている。
このあたりも、ライブドアニュースが報道の公平・中立性を徹底するならば、受けるべき恩恵だと思う。昨年、田臥選手のNBAデビューの映像がなかなか見れなかった。もちろん、放映権などの複雑な問題もあるのかもしれないが、NBAの活況を知らせるニュースでもあるのだから、トレイラー程度の露出(15秒でもいい)があってもよかったのだと思う。
外部ディレクターから垣間見た少ない経験だけでも、堀江氏がテレビ局ラジオ局と仲良くなることによって変わっていくことが沢山あると思う。堀江氏の言うとおり、インターネットがテレビを飲み込むなんてことはありえない。
「テレビのみなさんのお知恵とお力を拝借して、インターネットでも自由に発信・発言ができるようになりたい」。堀江氏はたぶんそんなことを言っていないが、これがインターネットを楽しむ人の願いであると思う。
わたしはあえて「テレビのように…」とは書かない。【了】
「インターネットがテレビを飲み込む。そして、テレビを消滅させてしまうという発言などしていない」と、堀江氏の苦笑いをテレビで見たが、私もそう思う。インターネットなら、個人が全世界に向かって自由に発言・発信できると思っている人が多いと思うが、それは間違いだ。それは実際には言語の壁があるとか、インターネットを見る人に限られるなどというレベルではない。
私は個人ブロガーであり、2000年当時インプレスTVの外部スタッフで「インターネットウォッチプラス」という番組を担当していたからよく分る。勿論、あの当時から時代は動いていて制約も変わっているのだろうが、インターネットとテレビが対立している現状ではあまり変化がないのではないかと思われる。
私が考える視点は、1)肖像権の扱い、2)音楽著作権の問題、3)報道番組における映像使用における秒数制限の問題−の3点だ。
肖像権の扱い
ジャニーズ事務所のタレントの写真がテレビ局のホームページ上といえども露出していないことでご理解いただけると思う。基本的にインターネットでの情報発信は相手の承諾を得ないとできない。さすがの地上波テレビ局といえども、泣く子も黙る勢いのジャニーズ事務所に写真をホームページに載せる了解がとれなかったのだろう。
では、地上波メディアにおいて、すべてが被写体の了解を得ての露出かといえば、そんなことはないと想像できる。かなり前の話で恐縮だが、浮気がもとで離婚が話題になったときの三田村邦彦氏。彼が阿波踊りをのんきに踊っている姿がたびたびテレビに登場したが、はたして彼はそういう文脈での映像使用を許可したのだろうか。
勿論、三田村氏がテレビ局を訴えてこないだろうという推論のもとのこと。ほとんどはテレビ各局の見切り発車であり、三田村氏がもし、ロス疑惑で問題になったM氏のようにひとつひとつ訴訟をすればことごとく勝利するのかもしれない。
話はそれてしまったが、客観・中立を標榜するライブドアのニュースであれば、ある程度の肖像権の黙認はあっていいのではないかと思う。なのに、記事を見ていただければ、スペースの制限がないインターネットなのに、あるべき写真がないことに気づかれる人も多いだろう。
私は堀江氏の彼女のハイレグ写真よりも、マツケンサンバのマツケンが馬に乗った写真を見たかった。だが、あるのは客席の風景だけ。このあたりの問題も、堀江氏がテレビとの友好関係を持つことによって、検討のテーブルにつくことができるのだと思う。
音楽著作権の問題
個人が市販されている曲を自分の映像作品に使うことはタブーだ。しかし、地上波のテレビ局では市販されている有名な曲をばんばん番組で使っている。その理由はテレビ局が音楽著作権団体と契約を結んで著作権使用料を支払っているからだ。
著作権使用料の支払い方はブランケット方式と呼ばれ、個別にいくらいくらというのではなく、一山いくらというような形で支払われている。私は放送局の指示で、番組で使った楽曲の名前を局プロデューサに提出したことがあるが、「その曲は高いから使うな」などといわれたことはない。
だが、インターネットではどうだろうか。個人であろうと組織・団体であろうと音楽を使用するときは個別に著作権者に了解を求めなければならない。そして、ほとんどの場合わずらわしいからと相手にもしてくれず、曲のイメージをそこなうとかなんとかで、二次使用が認められない。
このあたりの問題も、堀江氏がテレビとの友好関係を持つことによって、音楽著作権団体との交渉のテーブルにつくことができると思う。
報道番組における映像使用における秒数制限の問題
私は専門家ではないので、詳しくは知らないが、報道番組のスポーツコーナーなどでは、ある一定の秒数ならば映像使用が認められることがある。もっとも、最近ではこの規制は厳しくなっていて、イタリアのセリエAの映像は、フジテレビ以外では見れない状況になっている。
このあたりも、ライブドアニュースが報道の公平・中立性を徹底するならば、受けるべき恩恵だと思う。昨年、田臥選手のNBAデビューの映像がなかなか見れなかった。もちろん、放映権などの複雑な問題もあるのかもしれないが、NBAの活況を知らせるニュースでもあるのだから、トレイラー程度の露出(15秒でもいい)があってもよかったのだと思う。
外部ディレクターから垣間見た少ない経験だけでも、堀江氏がテレビ局ラジオ局と仲良くなることによって変わっていくことが沢山あると思う。堀江氏の言うとおり、インターネットがテレビを飲み込むなんてことはありえない。
「テレビのみなさんのお知恵とお力を拝借して、インターネットでも自由に発信・発言ができるようになりたい」。堀江氏はたぶんそんなことを言っていないが、これがインターネットを楽しむ人の願いであると思う。
わたしはあえて「テレビのように…」とは書かない。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 中村厚一郎(スポンタ)
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