「時間を超えた電子ガジェット」のデザイン哲学

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いまのデザインに足りないのは「時間の感覚」かもしれない、とロべ・フルテーンは言う。彼がデザインするゲーム機やコンピューターは「過去」と「未来」を併せもち、速過ぎる時間の流れのなかで、ふと立ち止まるきっかけとなるような調和を与えてくれている。

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2/6「The Brix System」

3/6「Kosmos」

4/6「AMPC」

5/6「700:Two-player arcade」

6/6「Carrier」

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「Sputnik Kluster」

「The Brix System」

「Kosmos」

「AMPC」

「700:Two-player arcade」

「Carrier」

もしもジュール・ヴェルヌがゲームセンターの店長だったなら、そこには彼がデザインしたたくさんのゲーム機が、所狭しと並べられていただろう。

彼、つまりロヴェ・フルテーンはスウェーデンのヨーテボリにあるスタジオで、ゲーム機やコンピューターなどの電子機器類をデザインし、革や金属を使って手作業でつくっている。その出来栄えはどれも素晴らしく、完璧に未来的な機能を備えながら、レトロな感覚で表現されているのだ。「新時代のテクノロジー」と「昔の本物を思わせるデザイン」とが融合している。

31歳のフルテーンは、まず審美的な見地からデザインに取り掛かることが多いと語る。その閃きに溢れた本体に、どのように現代のテクノロジーを組み入れるかを考えるのだそうだ。

「わたしのデザインは、自分自身の体験がもとになっています。面白い装置、何かの形、グラフィカルな絵画。すべてのものはわたしの想像を掻き立ててくれるのです」とフルテーンは言う。「それから、それにしっくりとくる機能が何かを考えます。使い勝手もよく見た目も美しいものが心に浮かんだら、デザインを始めるのです」

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「今日、プロダクトデザインにネガティヴな影響を与えているのは、産業界そのものだとわたしは思っています。大量生産を繰り返し片っ端から捨てていくのは、特に問題です」とフルテーンは言う。

「いまデザインに欠けているのは、『時間の感覚』かもしれません。ほんの少し前まで、流行とは10年単位で変わるものでした。しかし、いまでは毎日、何かしら目新しいものが現れて、流行が目まぐるしく移り変わっていきます。どんなに敏感な人であっても、とてもついていけません」

彼のデザインは時代に逆らっているが、「決してノスタルジーを追い求めているわけではない」のだと言う。彼はむしろ、さまざまな時代のデザインを集め、人と物との関係を見つめ直すなかから素材を選ぶ。それらをうまく繋ぎ合わせることで、すでにあるものを創造し直しているのだそうだ。

「20世紀中頃の意匠には本当に触発されます。品質や職人技に対する人々の考え方が、いまとは異なっていたのでしょう」とフルテーンは言う。

「わたしの作品には何か破壊的な力があって、それが見る人の心の引き金を引くのかもしれません。昔懐かしい感じは確かに受けるのでしょうけど、それは過去を振り返って見ることとは違います。過去と現在の両方から必要な素材を選び出し、異なる方向に同時に歩み出す。そうすることで、まったく新たな、しかし調和のとれた作品をつくり出しているのです」

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