東京地裁(撮影:徳永裕介)

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NHKの番組制作費を流用し、00年5月から01年5月までの間、総額約1900万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた元NHKのチーフプロデューサー磯野克巳被告(48)と、イベント企画会社「フリースパイス」社長の上原久幸(48)被告の初公判が9日、東京地裁(村瀬均裁判長)であった。両被告は起訴事実を認めた。

 ベージュのジャケットに身を包んで法廷に姿を現した磯野被告は起訴事実について「全部本当です。間違いありません」と認めた上で、「NHKの仕事に生きがいを感じていた。私のした社会的責任の重さを真摯に受け止め、反省しています」とうなだれた。検察側が不正の手口などを説明している間、磯野被告は伏せ目がちだった。一方の上原被告は検察側をじっと見つめていた。

 検察側冒頭陳述によると、磯野被告は名古屋放送局に勤務していた1990年、アルバイトの女性と不倫関係になり、高価な貴金属などを贈るうちに交際資金に窮するようになった。そこで番組の構成を旧知の上原被告の会社に依頼したかのように見せかけ、同会社の口座に振り込ませて制作費をだまし取るようになった。 

 2000年からは両被告はだまし取った金を折半するようになり、00年5月から01年5月までの間、同じ手口で総額約1900万円を振り込ませた。磯野被告はだまし取った金をこの女性との海外旅行などに使っていた。【了】