谷口彰悟(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)

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内田篤人がケガで選ばれない今、はたして「2」を背負うのは誰か。

イラク戦の前に谷口彰悟だと発表されたとき、記者の間で「なるほど」という声が上がった。182センチの長身で筑波大出身の23歳、どんなときも笑顔を絶やさない、「爽やか」を3Dプリンターで削り出したような選手だからだ。「2」はイケメン枠ではないかという冗談も聞こえてきた。

ハリルホジッチ監督が初めて視察した所属チーム、川崎の試合でボランチを務め、そこで目を留めてもらった。3月にはバックアップメンバーに名前が入り、5月の国内組合宿で招集。今回も呼ばれたかと思うと、さっそく試合に途中出場した。

ミックスゾーンでも爽やかぶりを発揮し、いつまでも質問に丁寧に答えている。イラク戦の後は初出場とあって、多くの記者に囲まれて笑顔を見せていた。

だが一夜明け、谷口の表情は引き締まっていた。
「(出場時間が14分間と)短かったですし……。ただ出られたのはよかったし、あの雰囲気を味わえたのはよかったと思います。周り全部が青く染まったサポーターで、本当に心強かったです。自分の出来はまだまだというか、特に何もしていないというか(笑)」

「今日は監督から、もっと機敏に、パワーを使って動けと言われました。手応えはまだまだです。もっとやらなければ。自分の良さはまだ出せていません。でも緊張はほぐれました」

コメントがすべて前向きに終わるのも谷口の特長だ。1つ心配があるとすれば、川崎の風間八宏監督の練習はユニークで、どちらかというとオーソドックスなハリルホジッチ流とは違っていること。

「代表の合宿でこんなに基本的なトレーニングをするとは思っていませんでした。しかもそこでかなり細かく言われるので驚いています。ですが、そういうところが大切だと思いますし、いい練習だと思っています」

ここまで何のよどみもなく、さらりと語る。そんなミスター・フレッシュが表情を変えたのは、昨日の夜のメールの数について聞かれたときだった。

「ははは、すごかったです」

その数こそが、代表選手になった証とも言えるだろう。

【日本蹴球合同会社/森雅史】