本田が29歳の誓い「若いころの成り上がり精神を捨てない」

写真拡大

 29歳の誕生日。練習後の取材タイムに報道陣から「ハッピーバースデー」の歌とともにバースデーケーキをプレゼントされると、FW本田圭佑(ミラン)は一瞬驚いたような表情を浮かべ、頬を緩ませた。

「29」のろうそくに灯された炎を吹き消すと、顔をやや紅潮させながら「ありがとうございます。僕はみなさんに笑顔をあまり出すタイプではないので、祝ってもらえるのはうれしいんですけど……」と照れくさそうに言った。

 6月13日生まれの本田にとって、誕生日はこれまでもほとんどの場合が国際Aマッチデーの期間中だったが、孤高の戦士といった印象の強い本田だけに、報道陣主導のこのようなサプライズは今までなかった。

 チームメイトからも、「試合前ですし、おめでとうと言われたくらい」。それでも20代最後の1年に突入したことについては感慨深く思っている様子で、「1試合への重みをこの年齢にして非常に感じるようになってきている。若いころに感じていた成り上がり精神みたいなものを捨てずに、1試合に懸ける思い、絶対に勝つんだという思い、何があっても勝つんだという気持ちをもっと強く持っていきたい」と言葉に力を込めた。

 国際Aマッチ通算得点は現在、奇しくも年齢と同じ29ゴールだが、「もう29点も取ったかという印象だし、こないだ大阪で1点取ったなと思い出すくらい、時が経つのは早い」と、09年5月27日に長居スタジアムで行われたチリとの親善試合で代表初ゴールを決めたときのことを述懐しながらしみじみ言った。

「時の流れの早さに怖さを感じている。1秒たりとも無駄にできないと普段から口にしているが、それを体現する難しさ。これから何試合できるか分からないですけど、1点でも多く取っていきたいと思っています」

 ギラギラしていた若き日々の情熱を忘れないと誓う本田。年下のメンバーがどんどん増えていく中でさらに存在感を増しながらハリルジャパンをロシアW杯へと導いていく決意だ。

(取材・文 矢内由美子)


●ロシアW杯アジア2次予選特集