ワールドカップ初先発を果たした菅澤は17分に待望の瞬間を迎えた。(C) Getty Images

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 女子ワールドカップのグループリーグ第2戦でなでしこジャパンはカメルーンに2-1で勝利し、大会一番乗りで早々とベスト16進出を決めた。6分の鮫島彩の得点で先制した日本は、さらに17分に菅澤優衣香が追加点を挙げ、第1戦のスイス戦以上に安定した試合運びで、2連勝を収めている。

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 この試合、第1戦のスイス戦で左足を腓骨外果骨折し、チームを離脱した安藤梢に代わって、2トップの一角に起用されたのがワールドカップ初先発となる菅澤だった。
 
 17分、日本は左CKのチャンスを得ると、キッカーの宮間あやはショートコーナーを選択。宇津木瑠美からのリターンパスを受け、「菅澤選手と目が合いました。その裏に阪口(夢穂)選手がいたのも見えていました」と、右足でワントラップすると、すかさず同じ足でアーリークロスを入れ、カメルーンのGKヌゴヌドムが右手を伸ばしても触れないファーサイドへとボールを送った。
 
 そのクロスに頭でピタリと合わせたのが菅澤だ。
 
「ああいうボールを蹴りたかったから、ショートコーナーにしたんです」
試合後、宮間は狙いどおりのゴールに満足そうな表情を浮かべた。
 
 そしてゴールを決めた菅澤も、チャンスメーカーの宮間と同じ“画”を描けたことを嬉しそうに話す。
 
「私も宮間さんと目が合ったような感じがありました。映像を見てカメルーンはファーサイドが弱いと分かっていて、(大儀見)優季さんがゴール前に走ってくれたので、自分が裏(ファーサイド)に行こうと思ったんです。ドンピシャにボールが来たので、後は決めるだけでした。練習でやっていた形でした」
 千葉Lのエースとして活躍する菅澤は、昨季、なでしこリーグで初めて得点王とベストイレブンに輝き、今季も9節を終えて7ゴールと得点ランキングの首位を走る。
 
 4年前のワールドカップは選考から漏れ、12年のロンドン五輪も怪我によって選考の対象とはならなかった。だが、なでしこリーグで安定した結果を残し続け、また今年3月のアルガルベカップで複数の海外チームと対戦し、自信を深めたことで、「ワールドカップの前の国内合宿からレギュラーを奪う気持ちでプレーしたい」と並々ならぬ想いで今大会に臨んでいた。
 
 今回のゴールで代表10得点目となった菅澤。そして2006年4月に開校したJFAアカデミー福島出身の選手として初めてワールドカップに挑み、ゴールを挙げたという意味では、日本女子サッカー界にとってもひとつの記念となる得点だった。
 
「気持ち良かったですね。夢の舞台で得点を取りたいとずっと思っていたので嬉しいです」
 
 しかし、菅澤にとっての夢の舞台は、まだ始まったばかりだ。
 
「もうちょっと落ち着いてボールを回せるところがあったけど、前に急いでしまった部分がありました。でも今日の得点が次の試合に出るためのチャンスを広げ、出場できたらいいなと思う。今日の1点をなにかのキッカケにしたい」
 
 代役からレギュラーへ。大きな期待を背負ったストライカーは、これからも階段を登り続ける。
 
取材・文:馬見新 拓郎(フリーライター)