ヴァヒド・ハリルホジッチ(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)

写真拡大 (全17枚)

日産スタジアムに現れたイラク代表は、アジアカップで対戦したときのチームとはまるで違っていた。1トップのユーヌス・マフムードを欠き、攻撃の意図が明確でないイラクは、アジアカップで4位になったチームとは別物だった。

4ゴールを奪えたことはよかったし、それぞれ「新境地」と言える得点だった。本田圭佑を走らせた1点目、槙野智章が詰めた2点目、トップ下の原口元気が奪った4点目などは、パターンとしては新しい。3点目の宇佐美貴史が中央で力強く突破し、岡崎慎司のゴールを演出したプレーも、代表の未来に新要素を加えたと言えるだろう。

だが、それぞれのゴールについて、「このイラクでなかったら生まれたのだろうか」という思いは拭えない。また、宇佐美のドリブルは本当に素晴らしかったが、本来は香川真司がフィールドの中央を支配してくれるのが配置どおりの働きということにならないだろうか。この日の動きなら、香川を左、宇佐美を中央というポジションに途中で変更してもよかった。

何より、もっとも違和感を感じざるを得ないのが、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督のコメントだ。「スペクタクルな試合」「選手にはブラボー」「ワールドカップ予選のための素晴らしい準備」「大変満足」。

確かに就任以来、時間がない中で3連勝している。だが、どれもホームでの親善試合で、世界の強豪国を相手にしているわけではない。「2015年は1つも負けない、美しい年に」と監督は言うが、現在決まっている今後の対戦相手はワールドカップでの躍進を目論むのなら、「負けない」どころかすべて勝たなければいけない相手だ。

これまで多くの苦言を呈し、日本サッカー界に刺激を与えているハリルホジッチ監督なら、もっと別のメッセージを出してもよかったのではないか。どうせなら、マッチメイクに奔走した人たちを怒らせるくらいの「こんな相手では練習にならない」というようなコメントが出てもおかしくなかったはずだ。「もっと強豪国と戦いたい」「まだ理想にはほど遠い」という言葉こそ出てきたものの、全体的には満足感に満ちたコメントばかりが目立ってしまっている。

アギーレ前監督の時には、初戦がウルグアイ、4戦目でブラジルという強豪と対戦することができた。そのときと同じような対戦相手こそ、ハリルホジッチ監督に早く提供してあげるべきなのではないだろうか。

【日本蹴球合同会社/森雅史】

▼ ヴァイッド・ハリルホジッチ監督

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)


▼ 宇佐美貴史

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)


▼ 宇佐美貴史、香川真司、岡崎慎司

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)


▼ 原口元気

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)


▼ 原口元気

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)


▼ 原口元気

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)


▼ 香川真司

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)


▼ 香川真司

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)


▼ 柴崎岳

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)


▼ 谷口彰悟

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)


▼ 谷口彰悟

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)


▼ 本田圭佑、宇佐美貴史

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)


▼ 本田圭佑、槙野智章、岡崎慎司、柴崎岳

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)


▼ 本田圭佑

(撮影:小川和行/フォート・キシモト)


▼ 本田圭佑

(撮影:小川和行/フォート・キシモト)


▼ 武藤嘉紀

(撮影:小川和行/フォート・キシモト)