ハリルホジッチ監督は「ワールドカップ予選のための素晴らしい準備となった」と話す一方、「強豪国のようなパフォーマンスを求めたい」と決して満足はしていなかった。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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「みなさん、こんばんは。今日は良い試合ができました。スペクタクルな試合でした。そして選手はパフォーマンスとして、かなり速さを見せてくれました。もう少し得点が取れたかなと思いますが、選手にはブラボーと言いたいです。そして観客の皆さん、素晴らしい応援をしていただいてありがとうございます。

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 我々はこのような試合をどんどん続けていきたい。(今日の試合は)ワールドカップ予選のための素晴らしい準備になりました。大変満足しています。ただそうは言っても、ここで満足するのではなく、もっとこのチームは良くなります。向上させようとトライしていきたい。
 
 選手は私が要求したことをしっかりとやってくれています。ディフェンス面に関しても、オフェンス面に関してもですね。そして、ハイレベルなアクションをしてくれました。ただもう少し強豪国のようなパフォーマンスを求めていきたいです」
 
――縦に出す判断を早くするということ、球際で奪うということに対して満足のいく出来でしたか。それとも物足りなかったのでしょうか?
 
「前にチームがやっていた方法を抜本的に変えました。特にオフェンス面の組立てですね。3人目、4人目の動き、それからワンタッチも要求しました。それに関しては良くやってくれたし、本当に満足しています。
 
 3か月しかトレーニングをやっていませんが、かなり向上したと思います。相手はほぼシュートを打っていません。DFとGKのコミュニケーションが足りないことでピンチもありましたけども、ディフェンス面に関してはアグレッシブにいくこと、そしてオーガナイズ、そういったものがほぼ実現できたんじゃないでしょうか。
 
 全員がポジティブなものを見せてくれました。彼らは本当に頑張れる、それを各選手が出してくれました。私は監督として非常に嬉しく思っています。ただ、ここで満足はしません。まだまだたくさんの伸びしろがあります。交代選手も良いプレーを見せてくれましたし、競争がかなり激しくなったと思っています」
 
――2点を取った20分過ぎまでは細かくパスをつなぎながら速い攻撃をし、その後はブロックを後ろに固定してカウンターで深さを多用するような攻撃に変わったように見えました。さらに後半に選手を代えてからは元の攻撃に戻しました。それぞれの局面でパフォーマンスに差があったように感じますが、どのように分析していますか?
 
「20分で2得点したというのはかなり素晴らしい。それを90分続けるというのは難しいですね。(欧州の選手は)リーグ戦が終わったばかりでかなり疲労があって、何人かの選手はほとんどトレーニングできない状態でした。ただこのリズムを保つのは大切です。
 
 もう少し時間が必要でしょう。先ほど言ったように、確かに空白の時間もありました。少し慌てた状況ですね。少しやり過ぎという感じです。理想どおりには進みませんでした。タクティクスコントロールではいろんな話をしてきましたが、もう少し向上させなければいけない。
 
 確かに後半も理想のリズムではなかったですね。最初の20分を次の20分も続けてほしいなと思いますが、かなりハイレベルな攻撃もありました。最後のところで少し慌ててフィニッシュまでいかなかった場面もありましたけど、全員が得点を取りたいと思いすぎてポジショニングが少し良くなく、効果的なセンタリングがなかった。センタリングに対しての良いポジション取りが少し欠けていました。
 
 まだまだたくさんのことを修正しなければいけない。ただこのチームは今のところかなり大きな満足を与えてくれています。彼らと仕事をするのが本当に楽しいです。監督としても彼らの行動に本当に満足していますし、もっとできると思うので、もっと厳しくしたいなと思っています」
――3月の試合以降、合宿として全員が集まって戦術練習をしたのは1回だけだったと思います。なぜ監督の考えることがここまでピッチで表現できるようになったのでしょうか。
 

「今日のチームはかなりテクニックを持った人を選びました。彼らには動きながらのワンタッチ、ツータッチを要求しました。オフェンス面では7、8人が攻撃参加できるようにしました。特に両SBはかなり上がって、さらに柴崎とか香川、岡崎、本田、宇佐美らがしっかりボールを持って、さらにボールを持っていない時から、グラウンダーのボールを使えば、かなりハイレベルのプレーができるという証明をしました。
 
 みなさんがトレーニングを見たかどうかは分かりませんが、かなり速いパス回しで、コンビネーションを練習しました。それに動きながらワンタッチ、ツータッチのプレーを何度も何度もしてきました。さらにサポーターが席を埋めてくれましたし、グラウンドが良いですし、これ以上なにが望めるでしょうか。
 
 ジャーナリストの皆さんもしっかり分析していただいて、今日の試合でなにが起きたか見てほしいです。ただ3か月しか経っていないので、まだまだ私の理想からは程遠い。まだまだ十分に向上できたと私は思っていませんが、ただ多くのことができたと感じています。
 
 メンタルの面では『アグレッシブに行け』と全員に言いました。まあ、オカ(岡崎)には言ってないですけども……オカはもう勝手に行きますから。そして彼らは喜んでやってくれました。
 
 ブラジル・ワールドカップの後に彼らはデリケートな時間を過ごしたはずですが、私はそれを見てきたので抜本的にメンタル面を変えたいなと思いました。彼らを勇気づけることは続きます。もしかしたら、この先の試合で負けることもあるかもしれません。ただそういった負け試合でも、彼らの反応を見てみたいです」
 
――一人ひとりのやる気、自分でなにかしてやろうという気持ちはとても大事だと思いますが、そういったなかでのチームプレーをどのようにお考えでしょうか?
 
「個人の能力を組織に活かすというのが大事ですね。個人の能力を閉じるっていうのはやったことがありません。本田とか宇佐美とか(香川)真司など、彼らは能力がありますね、だからなにかを見せなければいけません。
 
 ただチームとして機能を果たさなければいけない。ひとりだけのプレーでは駄目で、それを彼らは理解しないといけない。それがチームの力ですね。個人の力もあるし、能力を組織に活かすということです。それが強豪国への道だと思いますね。
 
 そしてフィジカル的にもっといい準備をしたい。あと20パーセントは向上するのではないでしょうか。我々は世界で一番強いチームにはまだまだ程遠い。私がここにずっと残れるか、予選突破できるかはまだ全然分かりませんから、まだまだ焚きつけないでほしい。3年残れるかは様子を見て下さい。長い目で見ながら、チーム力を向上させていきたいと思っています」