「分析どおりのゴール」と胸張る槙野「監督とスタッフのおかげ」

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[6.11 キリンチャレンジ杯 日本4-0イラク 日産ス]

 前半9分に得た左CKのチャンス。DF槙野智章(浦和)は、キッカーのMF香川真司がボールを蹴るのを見るや、ファーサイドへ走り込んでいった。

 ニアサイドにはFW岡崎慎司、DF酒井宏樹、DF吉田麻也の3選手。香川の蹴ったボールは相手選手の頭をかすめながら槙野の目の前に来た。落ち着いた動きで左足を合わせる槙野。FW本田圭佑の先制点が決まってからわずか4分後のチーム2点目は、自身にとって12年2月24日のアイスランド戦(3-1)以来となる国際Aマッチ2点目ともなった。

「(本田)圭佑くんのゴールで始まってから短い時間でのゴール。ただ僕のゴールに関しては分析どおりだった。(イラクが)ワンクッション前で置くということ、そしてファーサイドがフリーになるということは、分析結果どおりだった」

 伏線は前半2分の右CKにあった。本田のキックにニアの酒井宏が頭で合わせた。シュートは枠を捉えなかったが、相手の守り方を見たチームには「分析どおりだ」とのムードが流れた。

「イラクはアジア杯に対戦したときと監督が代わり、そのときとは違う弱点があった。コンゴ戦(3月29日、イラクが2-1で勝利)の映像を見て、監督をはじめスタッフが非常に質の高い分析をしてくれた」

 合宿中、何度も行ったビデオミーティングの成果。「試合が始まるとき、監督から『あそこの危険なところに走って行け』と言われていた。危険な場所にうまく走り込めた結果かなと思う」と、バヒド・ハリルホジッチ監督とスタッフに感謝した。

 得点以上に喜ばしかったのは無失点に抑えたことだ。

「監督には、勝つことはことはもちろんだが、絶対に(失点は)ゼロで抑えろと言われていた。アジア相手ということもあるが、特にホームではつまらない失点、流れを変えるような失点、もしくは失点につながるプレー、そういうのはやめようと口酸っぱく言われている」

 反省点は後半14分にあったGKとセンターバック2枚の連係ミスだ。吉田がヘディングの処理を誤り、GK川島永嗣の飛び出しも中途半端。さらに槙野のハイキックはあわやファウルかというプレーになってしまった。

 その後の相手CKでも川島が飛び出してゴールががら空きに。槙野がゴールラインぎりぎりでクリアして事なきを得たが、「90分の中でチャンスらしいチャンスをつくらせていなかった中でも、ああいうワンシーンが出てくると、流れが変わってしまう。ああいうプレーは避けていかないといけない」と自戒した。

 ハリルジャパンになってから2度目の先発を無失点勝利で終え、次はいよいよW杯アジア2次予選のシンガポール戦だ。「あとに響いてくるので、点を取れるところは取らないといけないし、次の試合こそ守備陣としてはゼロで抑えないといけない。相手のクオリティーに関係なく、常に自分たちのやるべきことをしっかりやらないといけない」。所属する浦和のホームでもある埼玉スタジアムでの一戦に向け、槙野の声が高らかに響いた。

(取材・文 矢内由美子)


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