3ゴールに絡む活躍を見せた柴崎。周囲からの期待と要求も高まっている。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 鹿島では左右への展開で攻撃のリズムを作る柴崎が、代表戦ではリクエストどおりの縦パスでダイナミズムをもたらした。チームを勢いづける先制点も、彼の精度の高い右足から生まれた。

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「本田さんが良い動き出しをしてくれたので、裏に出すだけでしたね」
 
 そう柴崎が振り返る本田のゴールを演出したのは、開始5分。長友が競ったボールを拾った瞬間に前方を確認し、スペースに飛び出した本田へインサイドでパスを通す。本田は追いすがるマークを右手で抑えながら、冷静にサイドネットに突き刺した。
 
 この先制点以外にも、柴崎の「スイッチを入れるパス」は目を引いた。15分には再び本田へのくさびで決定機につなげ、32分には香川や本田とダイレクトでパス交換しながら、タイミング良く宇佐美に縦パスを通して岡崎のゴールの起点になった。
 
「(岡崎のゴールシーンは)ワンタッチで良い流れがあったので、チーム全体が非常に良いプレーをできました。あの場面は、宇佐美の持ち味も発揮されたと思いますし、結構良い感じでやれました。ひとつの目指す攻撃の形。1点目も含めて、(そうした攻撃を)どんなレベルでも出せるようになれば良いと思います」
 
 大味な展開になった後半は「体力的に落ちてしまったので、90分間、前半のようなペースを続けられるフィジカルを持ちたい」と存在感は薄れたものの、原口のゴールにつながるフィードも供給した。計3ゴールに絡む活躍だ。代表通算8試合目ながら、プレーの質についていえば、本田や香川、長谷部といった中心選手とも遜色ない。
 
 それだけに、チームメイトからの要求は高い。
 
「岳には高い要求をしています。半分は冗談ですけど、『俺が代表を引退するまでに20アシストしろ』と言っています。そういう自覚も十分に出てきているし、度胸というか、振る舞いみたいなものは、あの若さで堂々と代表でもできている」
 
 代表選手としての自覚と、高い期待に応えるだけの能力を備えている――。
 
 そう語る本田の言葉が、柴崎の価値を表わしている。
 
取材・文:五十嵐創(サッカーダイジェスト編集部)