「大館曲げわっぱ」(六寸・3合用 37800円)

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 秋田音頭で名物として歌われている、「大館曲げわっぱ」(六寸・3合用 3万7800円)は、実用性の高い伝統的工芸品として、広く愛されている。

 しかし昭和60年代には、プラスチック製品の台頭と、生活様式の変化により、需要が低迷。汚れず扱いやすく、スポンジと中性洗剤で洗えるように、曲げわっぱにウレタン塗装をするなど、新しい商品も生まれた。

「これも時代の変化に対応するためと、それほど抵抗感はありませんでした。ところが、子供の運動会の時、自慢の曲げわっぱに料理を詰めて持参。いざ口に入れるとウレタン塗装のにおいで食べられませんでした。自分で作っておきながら、この時までそのにおいに気づかなかったのです」

 この世界に入って51年。伝統工芸士として、曲げわっぱを作り続ける柴田慶信商店会長・柴田慶信さんは、この時、無塗装の白木仕上げの大切さを痛感。今では昔ながらの手法を中心に、商品を作り続けている。

 曲げわっぱの「おひつ」に炊きたてのご飯を詰めると、杉の柾目(まさめ)板が余分な水分を吸って、ご飯がべとつかず、ふっくら仕上がる。冷めても乾燥せずにおいしさが持続する。天然の秋田杉の香りがほんのりご飯に移って食欲をそそる。さらに杉の殺菌効果で傷みにくくなり、ご飯を詰めてから常温で一昼夜、傷まずもつと言われるほどに。

「お手入れ次第で曲げわっぱの持ちが違ってきます」と、柴田さん。使用前にはその都度、水を張る。内側の表面に水が行き届いてから水を捨て、乾いた布で軽くふき取る。こうして水の膜を作ることで、ご飯がこびりつきにくくなる。そして使用後は、お湯または水を使い、たわしで洗う。洗剤は使わず研磨剤の入ったクレンザーで白木の表面を磨くようにし、充分すすいで完全に乾かすのがコツだ。

「乾ききらないうちに使うと黒ずみの原因に。1日おきの使用がおすすめです」

 白飯にこだわるなら、手に入れておきたい道具の1つだ。

※女性セブン2015年6月25日号