岡三オンライン証券<br>伊藤嘉洋さん<br>(撮影/写真部・堀内慶太郎)

写真拡大 (全3枚)

 日経平均株価が上昇し、力強さを維持している。バブル時代の大相場を見てきた業界最古参ベテラン証券マンである岡三オンライン証券の伊藤嘉洋さん(71)、ちばぎん証券の安藤富士男さん(66)、SMBC日興証券の西廣市さん(64)に、今後注目すべき銘柄を聞いた。

*  *  *
西:2%程度の物価上昇を発生させ、デフレから完全に脱却しようとしているのが今の日本銀行の政策。それが現実となれば、預貯金の金利は物価上昇率よりもはるかに低く、自然とお金が目減りします。預貯金に放置したままにせず、株などに投資してお金に働いてもらう必要に迫られています。

伊藤:あいにく、今の現役世代は大相場を知らない。だから、安倍政権発足以降の株価上昇を目の当たりにしても、さらなる株高に対していまだに懐疑的な見方をしがちなのかもしれません。しかし、そう考えても株価が下がる状況にはないのですから、その現実を直視したほうがいい。

安藤:バブルの時代も、結局は個人投資家が後手に回ってしまいました。実は相場を盛り上げてきた主役級の銘柄は、日経平均が史上最高値をつける前年に株価がピークアウトしていた。ところが、後から遅れて市場に参加した個人投資家がそれを知らずに手を出した途端、反落に巻き込まれてしまったのです。日経平均はまだ上昇していたものの、主役級の銘柄は下げに転じました。同じ失敗を繰り返さないためにも、少しでも早く行動を起こすのが賢明だと思いますね。

――では、具体的にどういった銘柄に注目するのが有効なのでしょうか。

西:株主重視の経営姿勢を強める企業に注目すべきですね。具体的には、配当を増やしたり、自社株を買い取って市場での流通量を減らして、1株当たりの価値を高めたりする企業です。さらに、株主から出資してもらった資本をきちんと活用し、効率的に利益を上げている企業もいい。そういった企業は、株主資本の活用がうまい企業を判定するROE(株主資本利益率)と呼ばれる指標が高くなるので、すぐにわかります。

伊藤:私も同感ですね。現在の株式市場は外国人投資家が主導権を握っており、彼らも配当やROEの動向に注目して銘柄を選別しています。つまり、外国人投資家が好みがちな銘柄は、今後も株価が上昇しやすいということです。そういった銘柄の中で、株価が上昇し始めたばかりの出遅れ株に目をつけるのがいい。

安藤:配当利回りが3〜4%台に達している銘柄もありますよ。値上がり益よりも配当を期待して買うのも堅実でしょう。また、普及を推進しているジェネリック(後発)医薬品や、いよいよ来年から導入されるマイナンバー(社会保障・税の共通番号制)など、国策に関連する銘柄に目をつけるのもありでしょう。

伊藤:まさしく、「国策に売りなし」の格言どおりですね。オリンピックに向けて、無線通信環境の整備などが進む情報通信も商機が拡大しそうですよ。

週刊朝日  2015年6月19日号より抜粋