代表で2年近くFK弾のない本田「責任は感じている」

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 国内組が合流して2日目となった9日の練習後、日本代表FW本田圭佑(ミラン)は「(前回の合宿より)ちょっとだけ細かくなった。守備の部分でも、どこでボールを取るのか。それが前回よりワンステップ進んだ印象」と、戦術練習を終えた感想を語った。

 11日のキリンチャレンジ杯で対戦するイラクとは今年1月のアジア杯グループリーグでも対戦し、本田のPKによる1-0の辛勝だった。「簡単な試合にはならないでしょう。ただ、ホームでやるし、大事な試合の前の試合なので。たくさん点を取ればいいという問題ではないけど、そういうことにもトライしないといけない」と、貪欲にゴールを狙うつもりだ。

 16日にはW杯アジア2次予選初戦となるシンガポール戦(埼玉)が控えている。ハリルジャパン初陣となった3月の国際親善試合ではチュニジアに2-0、ウズベキスタンに5-1と2連勝。親善試合3連勝でW杯予選初戦に弾みを付けられるか。本田は「当然、練習試合なので、勝てばいいというものじゃない。1点でも多くファンに見せられれば、それに越したことはない」と力強く言った。

 勝利を求める強い意志はバヒド・ハリルホジッチ監督が日本代表に植え付けようとする勝利への執着心と共通している。「勝者のメンタリティーを身に付けるのは、口で言うほど簡単ではない。積み重ねが大事だし、辛抱強く、一つひとつ。今はイラク戦の勝利に向けて気を引き締めたい」と力を込める。

 3月に行われたウズベキスタン戦前日会見でハリルホジッチ監督は「ここ数年、FKから得点がほとんど入っていない」と指摘し、セットプレーからの得点力を課題に挙げた。長年、日本代表で左足のキッカーを務めてきた本田自身、「責任は感じている」と口にする。セリエAでは昨年10月4日のキエーボ戦でミラン移籍後初のFK弾をマークしたが、代表では13年8月14日のウルグアイ戦を最後に直接FKを決めていない。

「特に大舞台ではセットプレーでの得点が大事。この2試合がその重要性に当てはまるわけではないけど、こういうところからの積み重ねにこだわっていきたい」。セットプレーからのゴールも自分自身のテーマの一つとし、W杯予選に向けた前哨戦のピッチに立つ。

(取材・文 西山紘平)


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