火星へ「半分の時間」で行く方法

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米航空宇宙局(NASA)は、火星への移動時間を半減できる推進技術を調査研究している。「ホールスラスター」の開発で最近、NASAの契約を勝ち取った企業等を紹介。

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人間を火星に送り込む際のいちばんの問題は、現在使われている液体燃料によるロケットエンジンでは、火星到達に約8カ月ととても長い期間がかかることだ。大気圏外にいる時間が長いと、宇宙飛行士が浴びる放射線(日本語版記事)もそれだけ多くなる。

米航空宇宙局(NASA)長官チャールズ・ボールデンは5月下旬、エアロジェットロケットダイン社の施設を訪れた際に、地球から火星に行く時間を「半分」にする高度な推進技術を調査していると語った。

NASAが2010年に出した、宇宙空間での推進力に関するロードマップ(PDF)には、41もの推進方法が挙がっている。このなかで、少なくとも短期的には最も有望な推進技術のひとつが「ソーラー電気推進」だ。

この技術では、太陽電池で集めた太陽のエネルギーを、ホール効果を使ったイオンスラスター(ホールスラスター)のような、電気推進システムの動力にする。

ロケットダイン社は最近、ホールスラスターの開発に関するNASAの契約を勝ち取った。ソーラー電気推進技術のいちばんの利点は、液体燃料のロケットは使える期間が極めて限定的なのに対し、エネルギー源が太陽であるため非常に長期間持続する点だ。

ボールデン長官によるロケットダイン社の施設訪問を報じた『Space.com』の記事によると、「エアロジェットロケットダイン社は、太陽電池のエネルギー密度を高める方法を求めて、米国のさまざまな事業体と提携している」と長官は話したという。

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同サイトによると、ボールデン長官はまた、熱核ロケットを使う可能性にも言及している。原子炉を使って熱したガスをノズルから噴射し、推進力を得る方法だ。

NASAは1950〜60年代の「NERVA」プログラムで熱核ロケットに力を入れていたが、1972年にこのプログラムを中止している。

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