ポケットに詰め込める、折り紙式の極小ドローン(動画あり)

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折り紙式に、ポケットサイズに折り畳める小型クアッドコプターを動画でご紹介。飛行するときは、アームが瞬時に広がってローターが回転し始め、空中に飛び立つ。

上の動画は、スイス連邦工科大学ロボット工学研究者、ステファノ・ミンチェフダリオ・フロリアーノが5月中旬に発表したクアッドローター式のドローンだ。

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このドローンは、本体を包み込むようにアームを折り畳んで台形に変形するので、コンパクトに収納できる。飛行するときは、アームが瞬時に広がってローターが回転し始め、空中に飛び立つ。

アームは2層構造になっており、厚さ0.3mmのグラスファイバー層の下に、伸縮性のない布地の層がある。

両氏によると、このドローンの設計は、折り紙の概念に基づいているという。「従来型の折り畳める多関節構造と比べて、軽量設計に複雑な折り畳みパターンを組み込むことができる。折り紙の折り目パターンには、望ましい折り畳む動きを容易にコード化できる」とミンチェフ氏は説明する。

このクアッドコプターの場合、縦方向に2回折り畳むと、アームで中央フレームを囲むことができ、横方向に1回折り畳むと、広げたアームを強化して、飛行中の操縦性を高められる。

小型なので、荷物を運ぶ作業には不向きだ(こうした小型ドローンは、アマゾンが計画中ドローン配達に役立つタイプではない)。だが、簡単に持ち運べるので、監視目的には極めて役に立つ。危険地域や不安定な環境に持ち込んで、事故や、(最近発生したネパールの地震のような)自然災害が起きた後で空から調査するのに利用することなどが考えられる。

この小型ドローンを前ポケットに入れて外出することもできる。フロリアーノ氏が動画のなかで述べているように、「バックパックに大量に詰め込んで出かけて、どこでも必要な場所で使用する」ことも可能だ。――どんな理由があってドローンたちを、正気を失ったコウモリの群れのように周囲を飛び交わせる必要があるのかはわからないのだが。映画『ターミネーター』シリーズに登場する世界を支配するコンピューター「スカイネット」が、蝶ほどの大きさの殺人マシンたちで人を追い詰め始めたら、それはミンチェフ氏とフロリアーノ氏の責任だろう。

いまはまだ、人の手でアームを折り畳む必要があるが、2人は現在、自動的に折り畳む仕組みを研究中だ。

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