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6月に入り、梅雨入りを迎えた地域も出てきた。その梅雨が明ければ本格的な夏シーズン到来となる。そして、夏になると気をつけないといけないのが熱中症だ。

厚生労働省の人口動態統計によると、1994年以降は平均して毎年500人近い人が熱中症によって命を落としている。最悪の場合は死に至る熱中症だが、周囲の人間が見て「危険度」がわかるよう、症状に応じて3つのレベルが設けられている。各段階の症状を理解しておくことが、「いざ」というときには役立つので、真夏に突入する前にきちんと熱中症を知っておこう。

熱中症は、「気温が高い」「湿度が高い」「風が弱い」「日差しが強い」「輻射熱(高温の壁などからの放射によって伝わる熱)が強い」などの複数の要素が絡むことで引き起こされる。

「暑い環境下で起こる健康障害」とも言われる熱中症だが、気温の感じ方には個人差がある。そのため、自分が「暑いな」と感じた際は、無理せずに涼しい場所に移動するなどの処置をしたほうがよい。

環境省は、熱中症をその重度に応じて3段階に分類している。

■重度1(熱ストレス)……めまい、失神、筋肉痛、筋肉の硬直、手足のしびれなどの症状が出る

めまいや失神は、脳への血流が瞬間的に不十分になったことにより引き起こされる。筋肉の硬直は、いわゆる「こむら返り」のことで、発汗によるナトリウムの欠乏が原因。

■重度2(熱疲労)……頭痛、吐き気、嘔吐(おうと)、倦怠感(けんたいかん)、虚脱感などの症状が出る

体がぐったりして力が入らないこともあり、場合によってはごく軽い意識障害が出ることもある。

■重度3(熱射病)……熱疲労の症状に加え、意識障害、けいれん、手足の運動障害、高体温、肝機能異常、腎機能異常などの症状が出る

呼びかけへ応答しなかったり、もしくは反応がおかしかったりすると熱射病を疑ったほうがよい。また、全身がけいれんしたり、体に触ると明らかに熱いぐらいの熱を帯びていたりするケースもある。

この3段階のうち、「涼しい場所に移す」「水分を与える」など、現場レベルでの応急処置で対応できるのは、重度1だけという認識を持ったほうがよい。処置を施しても状況が改善されない場合や、重度2で自分で水分・塩分を摂取できない場合、重度3の場合はすぐに搬送するようにしよう。

日本救急医学会によると、2012年に同会に集められたデータの内訳を分析したところ、重度1の割合は約5割で、重度2は約3割、重度3は約2割だったという。すなわち、熱中症と疑わしい人がいた場合、単純に考えれば2人に1人は医療機関での手当が必要ということになる。

熱中症の症状をしっかりと把握しておき、明らかに重度2や重度3とおぼしき症状が出ている人が周囲にいた場合は、迷わずに救急搬送してもらうようにしよう。

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