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 5月27日、医療保険制度改革関連法が、自民・公明両党などの賛成多数で成立した。

 今回、改革の中心に据えられたのは、国民健康保険の財政基盤の強化だ。

国民皆保険の受け皿
市町村国保は最後の砦

 国民健康保険は、国民皆保険の受け皿として整備された日本独特の制度だ。

 戦後の混乱が残る1955年(昭和30年)。すでに地域住民向けの国民健康保険を運営する市区町村はあったが、経済的理由で加入を見送る無保険の人が全国に約3000万人もいた。生活保護を受ける原因の6割は病気やケガによるもので、防貧対策の一環として健康保険の必要性が問われるようになる。

 そこで、会社員や公務員など勤務先の健康保険(被用者保険)に加入する労働者とその家族以外は、すべて国民健康保険に加入することを義務づけ、1961年に国民皆保険が実現した(離島を除く)。

 現在も、会社員や公務員は勤務先の被用者保険、船乗りの人は船員保険、75歳以上の人は後期高齢者医療制度などに加入するが、それ以外の人は市町村国保に加入することが国民健康保険法で定められている。

 ただし、この半世紀の間に、国保加入者の内訳は様変わりした。

 もともと市町村国保は、その地域で暮らす農業者や漁業者、自営業者などを対象に作られたものだ。しかし、現在では勤務先の健康保険に入りたくても入れない非正規雇用の人、年金だけが頼りの高齢者などの割合が増えている。

 保険料収入は少ないのに、加入者の平均年齢が高いので、使う医療費は会社員や公務員などの被用者保険に比べると圧倒的に多くなる。

 赤字に苦しむ市町村は多いが、国民健康保険は最後の砦だ。ここが崩れると皆保険制度が維持できなくなり、万一のときに医療を受けられない国民が出る可能性がある。国保財政の立て直しは喫緊の課題となっていたのだ。

被用者保険に負担を求め
国保財政の安定化を図る

 今回の改正では、国民健康保険への税金投入を強化し、運営主体も市町村から都道府県に移すことを決定。国保加入者の保険料負担を軽減する一方、大企業の健保組合、公務員の共済組合には負担を求めることになった。

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