Q:和食の調理師です。足の血管が浮き出してきたような気がするし、足がよくむくむし、だるいので、気になって病院にかかったら初期の下肢静脈瘤と診断されました。何かよい方法がありましたら教えてください。(48歳・割烹店経営)

 A:下肢静脈瘤は、足の静脈の血液が逆流するのを防ぐ弁の機能が働かなくなり、血液の逆流が起こり、血液が静脈内に溜まってしまうことによって起こる病気です。心臓へ還る静脈の血液が滞り、その血流量が減っています。
 ふくらはぎの内側に血管が太く浮き出してきたり、静脈が青く網の目のように広がって見えたり、ボコボコと瘤のように膨らんだりしてきます。
 このような外見の異常だけでなく、むくむ、だるい、かゆいなどの症状も表れます。痛んだり、頻繁に足がつったりする場合もあります。
 患者さんは女性に多いのですが、男性にも見られるし、患者さんの6人に1人は男性です。調理師や美容師など、長い時間、一カ所に立ったままの仕事の人に多くみられることがわかっています。

●上手に折り合っていこう
 ご質問の方も、立ち仕事を長年続けてきたことが発症に関係しています。この病気の患者さんを診ていると、真面目に仕事をする人ほど、なりやすいように思われます。
 下肢静脈瘤の治療には、保存的治療として弾性ストッキングを穿く方法があります。圧迫することにより、心臓に還る静脈の血流量を増やすことで循環不全が改善し、症状も緩和すると考えられています。
 静脈の循環不全を改善するためには、足の裏や足の指を押したり揉んだりすると役立ちます。また、冷えを訴える人がいますが、下肢を冷やさないようにすることも大事です。
 調理場は水回りで下から冷えますから、場合によっては使い捨てカイロなどを使って冷えないように対策しましょう。1日の仕事が終わったら、ゆっくり入浴して体を温めたいもの。下肢の血流を促進するために、毎日歩くのもよいことです。
 下肢静脈瘤に用いる漢方薬に疎経活血湯があります。疎経活血湯には、血液循環や水分代謝を促進し、痛みを散らす作用があります。
 ご質問の方の場合、大事なことは、働き過ぎないようにすることです。自分の店ですから、陣頭に立って料理をつくらなければならないでしょうが、人に任せられることはできるだけ任せるようにしましょう。

岡田研吉氏(研医会診療所漢方科医師)
東邦大学医学部卒。ドイツ留学中に東洋医学に関心を持ち、帰国後、国立東静病院で漢方を学ぶ。独自の漢方処方で生活習慣病などに成果を上げている。著書『さらさら血液が長生きの秘訣』など多数。