『レシピはときどきウソをつく』(ホームライフ取材班・編/青春出版社)

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 いまや料理初心者のみならず、ベテラン主婦まで取り込んでいるレシピ投稿サイト「クックパッド」。7月から宝島社との共同企画として「クックパッドmagazine!」を隔月刊行することを発表し、ますますのユーザー拡大が予測される。

 クックパッド最大の魅力といえば、もちろん、独創性あふれるレシピ。「集合知」というネットの特性を活かし、プロでは思いつかないようなユニークで手軽なレシピが集まっている。しかし、それゆえに手順や調理法が端折られていたり、不安を覚える手順だったりすることも少なくない。

 いまは健康志向の高まりで、効率よく栄養素を摂る料理法やうまみ成分を逃さない手順などが研究されるようになり、「料理の常識」が日に日にアップデートされている。いままでは正しいとされていた手順が、もう時代遅れだということも。そこで今回は、『レシピはときどきウソをつく』(ホームライフ取材班・編/青春出版社)から、知られていない料理の新常識を見てみよう。

 まずは素材の選び方・使い方。

 きゅうりは昔から「トゲがしっかりしている」ものが新鮮だと言われてきた。しかし、いまのきゅうりは、トゲのないものが主流になっている。そこで新鮮さの目安にしたいのが太さ。「片方(花が咲くほう)が膨らんでいるのは、水分がたまっている証拠で、ス(空洞)が入っている可能性も」あるそうで、太さが均一なものがGOOD。

 いまなお、手書きポップや包装紙に「上部は煮物・下部はおろし」といった使用法が書かれている"大根の使い分け"。だが、じつは使い分け自体不要なのだそう。というのも、「大根の辛みはミロシナーゼという酵素が作り出していて、この成分は皮の近くにある」そうで、皮を薄く剥くか・厚く剥くかで辛みを調整できるのだ。用途と部位が合わずに大根を余らせていた人には朗報だろう。

 また、知っているだけでうまみを増すのが、白菜の使い方。その形状からついつい外側の葉から使いがちだが、これはもったいないクセ。白菜の中心部はいちばん甘味があり、最初に使うべきは中心部なのだとか。となると、「残った外側の葉だけではおいしくなくなるのでは?」と心配になってしまうが、「中心部がなくなった外側の葉は、どんどんうまみ成分や糖を増やして、甘くおいしくなっていくことがわかっている」とのことで、これは球状になっている野菜全般に応用できるそうだ。

 次に知っておきたいのが、料理ごとの調理法。

 これからの季節、食卓に並ぶことの多い「豚の冷しゃぶ」は、沸騰したお湯で肉を"しゃぶしゃぶ"した後、氷水にとるという人が多いだろう。ところがこの手法だと、「豚肉の脂が固まって食感が悪くなり、うまみも感じられなくなる」。湯から引き揚げた肉を常温まで冷まし、冷蔵庫で冷やした野菜と盛り付けることで十分に冷え、豚肉のやわらかさをキープできるそうだ。

 お弁当などにも重宝するブロッコリーは、たいていのレシピ本や料理番組では、「たっぷりのお湯でゆでる」と旧来の手順が紹介されている。しかし、ゆでるとブロッコリーに含まれるビタミンCなどの栄養素が抜けてしまうので、「フライパンにごく少量の水とともに入れ、フタをして2〜3分蒸しゆでにする」のが新常識。これでおいしさも栄養素も逃がすことはない。

 また、自宅でナポリタンを作るときに知っておきたいのが、ケチャップを入れるタイミング。すべての具と麺を炒めて最後に味付けをするイメージが強いが、「具材と一緒にケチャップも炒めてから、パスタを入れる」のがベスト。こうすることで、ケチャップの水分が飛んで麺がやわらかくなりすぎることを防ぎ、なおかつケチャップの酸味が緩和され、うまみを引き出す効果もあるという。

 これらの一つひとつの情報は些細なことだが、この些細な知識が料理を何倍にもおいしくしてくれる。手軽なレシピだけでなく、こうした食の新常識を併用すれば、料理が苦手な人でも簡単に料理上手になれるかもしれない。
(江崎理生)