風邪をひいたら内科を受診するように、心が風邪をひいたときは心療内科へ。でも心を診てくれるところは精神科なんじゃないの?と思われる方もいらっしゃるでしょう。心の不調を感じながらも、周囲の目を気にして、心療内科になかなか行けないという人もきっと多いはず。そこで今回は、心療内科ではどんな治療をするのか、何を診る場所なのか、心療内科のキホンについてご紹介します。

心療内科と精神科の違い

心療内科と精神科、どちらとも「心」を重点的に診ることは一緒ですが、両者には大きな違いがあるのです。心療内科は主に“心身症”を扱っています。日本心身医学会では心身症について次のように定義を示しています。「身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的な因子が密接に関与し、器質的、ないし機能的障害が認められる病態をいう。ただし、神経症やうつ病など他の精神障害に伴う身体症状は除外する。」つまり「こころとからだ、そしてその人自身の性格、環境なども考慮しながら統合的に改善していく医学」をさしているのです。あらゆる身体的な不調を「ストレスのせいだから」と片づけるのではなく、幼少時の性格や体験、社会経験なども考慮しながら、総合的に症状や対処法について判断していくのです。心療内科は「神経症」や「うつ病」といった精神疾患をみるところというよりも、ココロとカラダの不調を総合的に診ていくところといった方が適切かもしれませんね。ちなみに、神経症・うつ病は主に精神科の領域とされています。

心療内科では何をするの?

心療内科では心身を分別することなく総合的に診ていきます。例えば、何らかのストレスを抱えており、それによって便秘や下痢を繰り返している患者がいるとしましょう。腸を整える薬だけだしても患者にとっては解決にはなりません。身体症状を整えながらも、ストレス対処法を身につけていかなければ、何度でも不調があらわれてしまうからです。心療内科では患者と医師が一体となり、ストレスへの対処の仕方や日常生活に適応できるように治療を進めていきます。基本的にはカウンセリングになりますが、患者の症状によっては投薬治療が行われる場合もあるのです。

失敗しない心療内科の選び方

同じ効果の薬を大量に処方する

実際に心療内科に通ってみて、少しでも違和感を覚えるなら、すぐに転院しましょう。例えば、似たような薬を大量に処方され、ずっと眠気やふらつきに襲われたり、呂律が回らなくなるといった症状があらわれる場合は適切な処置が施されていない可能性が高いです。そのまま無理に通い続ける必要はありません。症状を悪化させないよう早めに他の病院へ移ることを検討しましょう。

予約が取りづらい

次の予約が数ヶ月先でないと取れない場合は、他の病院を検討した方がいいかもしれません。薬が処方され、万一体に合わなかった場合、すぐに相談する必要がありますが、何ヶ月も先しか予約がとれないとなると、緊急事態が起こっても迅速に対応してもらえません……。定期的に通え、親身になってくれるクリニックを探すようにしましょう。

こころやからだの不調を「ストレスだから仕方ない」と安易に判断してしまうのではなく、総合的に治療していくことで、ストレス耐性が高まり根治になることもあります。原因不明の不定愁訴などで悩んでいる場合は一度検討してみてはいかがでしょうか。


writer:山口 恵理香