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「上司からいいアイデアを出せと言われ、『煮詰まって』ます」。この言葉の中に使われている「煮詰まる」という言葉ですが、この言葉には2通りの解釈があることを御存じでしたでしょうか? 知っているようで知らない「煮詰まる」の話をご紹介します。

■煮詰まるは、そろそろ結論が出るときに使う言葉

「煮詰まる」は、実はそろそろ結論が出るというときに使われる言葉です。煮詰まるは、煮物を煮たときにどんどん水分がなくなっていく様子を議論や話し合いの場に例えた言葉で、「議論や話し合いで考えやアイデアが出尽くして、そろそろ結論が出る段階」のことをあらわしている言葉なのです。

一方で煮詰まるという言葉には、アイデアがなかなか出なくて八方ふさがりになってしまうような、そんなイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。もともと煮詰まるは前者の意味で使われていた言葉なのですが、実は後者の意味で使う人も増えてきており、意味の捉え違いが発生しやすくなっているのです。

■「煮詰まる」は新入社員と上司とで意味の捉え違いが起こりやすい?

文化庁による平成19年度「国語に関する世論調査」で煮詰まるの使い方を調査したところ、全体では「結論の出る状態になること」と回答している人の割合が多かったものの、若い世代では「結論の出せない状態」、年配世代では「結論の出る状態」だと捉えている人が多かったということがわかっています。つまり「煮詰まる」は世代によって捉え方が真逆になってしまいやすい言葉だと言えるのです。

そろそろ結論が出たかなと上司が部下に尋ねたとき、「煮詰まってます」ともし部下が答えてきたら。上司は「そろそろ結論が出るな」と思うかもしれません。しかし部下は「なかなか結論が出ない」とSOSを発信しているかもしれないのです。

■辞書にも二通りの意味が?

この世代間のギャップを受けてか、辞書にも「議論がそろそろ出る状態」「議論が出ずに行き詰まっている状態」の2通りの解釈を載せていることがあり、煮詰まるの意味については「議論が出ない状態」も意味として通用しつつあります。

日本語は時代の流れによって意味も使い方も変わってくるもの。これから「煮詰まる」は、もしかすると本来の意味とは真逆の意味の言葉として変わってくる可能性もあります。ひとまずビジネス上で「煮詰まる」を使うときは補足で進捗(しんちょく)状況を伝える等して、意味の捉え間違いがないように配慮した方がよいかもしれません。

(画像は本文と関係ありません)

(ファナティック)