<〜全英への道〜 ミズノオープン 2日目◇29日◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(7,415ヤード・パー72)>
 この大会の2013年チャンピオン。この日トータル6アンダーの7位タイに浮上したブレンダン・ジョーンズ(オーストラリア※以下BJ)は、今ゴルフ人生において大きな転機を迎えている。
2014年の「ダンロップ・フェニックス」をフォトギャラリーで振り返る!
 国内ツアーの長尺パター使いの代表的存在だったBJ。しかし、2016年シーズンからアンカリング(クラブを体の一部に固定して打つ方法)が禁止されることにともない、長尺パターで「マスターズ」を制した母国のスター、アダム・スコット(オーストラリア)らと同様に、スタイルの変更を余儀なくされる立場となった。
 日本の海外選手としては歴代最多となる約8億6300万円を稼ぎ出してきた長尺パター。BJにとっては勝利をもたらす魔法の杖だった。しかし、決断は早かった。昨年10月の「TOSHINゴルフトーナメント」3日目。「長尺パターで打っても入っていなかったというのもあるけど、一番は“変わらなきゃ”という気持ちだった」。猶予はまだ1年以上あったが、短尺パターへの意向へ踏み切った。
 そして、その短尺パターに変えて、わずか1か月後。2014年「ダンロップ・フェニックス」の最終日最終組にBJはいた。首位と3打差の3位。「たしかに、フェニックスはショートパターに変えて初めて勝つビッグチャンスだった。だけど、同組にいたのはヒデキ・マツヤマとジョーダン・スピースだよ?(笑)。世界トップにいる2人と回るには、まだショートパターでは不安だった」。
 13勝を誇るツアー最強オージーも、その心中はこれまでの優勝争いとは比べ物にならないほど揺れていた。「スタート前には使ってきたロングパターを握って、気持ちを落ち着かせていたんだ。なにしろロングパターは14年も使ってきたけど、ショートパターはまだハイハイし始めた赤ちゃんくらいだったから」。最終日は優勝した松山を上回る“68”で回った。だけど、土壇場の勝負所でパットを決めきれず天を仰いだ。
 あれから6か月。「ハイハイから1歳児くらいにはなった(笑)」。INから出たこの日は前半でチャンスを逃し続けて「まるでゴミみたいだったんだ」と吐き捨てたものの、ハーフターン直後の1番で約15メートルのパーパットをねじ込んで流れをつかんだ。パターヘッドは相変わらずピンタイプのセンターシャフトだが、きらりと光るシャフトは36インチの新しい相棒。後ろを振り返るつもりは、もうない。
 「早くショートパターでも勝てる自信をつけるために。練習あるのみさ」。サイン待ちの長い行列にペンを走らせると、そのまま練習グリーンへ足を向けたBJ。短尺パターへの移行から半年と、物語はまだ始まったばかり。だけど、今はもう長尺パターをお守り代わりに持ち歩かなくても大丈夫。数々の歓喜を共にした魔法の杖が無くても歩いていける。
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