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IoTやインダストリー4.0といったアイデアが注目を浴びているが、あらゆる製品がネットワークを通じてつながるようになったことで、企業はこれまでにない劇的な変化に対応しなければならなくなっている。5月28日に開催されたシーメンスPLMソフトウェア(シーメンスPLM)主催の年次イベント・Siemens PLM Connection Japan 2015で、同社CEO兼プレジデントのチャック・グラインドスタッフ氏が企業が直面しているビジネス環境の変化について語った。

グラインドスタッフ氏は現在企業が置かれている状況について「分野を超えて技術が融合し、新しいビジネスモデルが生まれている。製品レベルでの変化ではなく、ファンダメンタルなビジネスモデルのシフトが起こり、破壊的な変化をもたらしている。例えば、KODAKはデジタルカメラの登場や写真を共有するというアイデアに対応できず、業態を変化させざるをえなかった。ニコンやキヤノンは上手く移行したが、携帯電話やスマートフォンのカメラの性能が向上したことで、チャンレンジを迎えている」と説明。当時フイルム市場の巨人であったKODAKはデジタルカメラが普及するまで富士フイルムやコニカと争っていたわけだが、デジタルカメラという他分野でのイノベーションにより、倒産に追い込まれた。業界の枠組みを超えたトレンドに対応出来なかったためだ。

最近では配車サービスUberが運輸業界に対して大きなインパクトを与えている。同氏によれば、Uberの配車サービスと、Googleの自動走行車が組み合わさることで、従来の4分の1のコストで、2倍の利益率を生み出すことができるとする調査結果もあるという。既存のタクシー会社や運送会社は従来のビジネスモデルにこだわっていては勝ち目がない。「こうした変化はあらゆる分野で起きており、もはやどの業界に従事している者にとっても他人事ではない。」(グラインドスタッフ氏)

こうしたトレンドを作り出しているのは、ソーシャルメディア、モバイルコンピューティング、アナリティクス、クラウドコンピューティングなどの要素だ。これらの技術によって、すべての製品をネットワークで結び、管理・制御することが可能となり、製造業においてはアイデアを創出するだけでなく、それを実現し、観察することで、絶えず製品を向上させていくことが求められるようになった。

当然、製造実行も変化していく。例えば、センサー技術・パターン認識技術などの工場により、ロボットに「何をしてほしいか」だけを教えて、現場での判断はロボットにまかせる「分散型の意思決定」が実現する。これはロボットに限ったことではなく、分散型のインテリジェントデバイスを用いて情報を収集し、解析することで、特定の領域で問題が発生した時に他の領域に与える影響を最小化することなどが可能となる。グラインドスタッフ氏は「こうしたテクノロジーを顧客に提供するために使い勝手の良さやシミュレーションの精度を追求するほか、製品設計と製造実行のつながりを重視した投資を行っていく」とした。

(神山翔)