この夏は古典酒場にデビューしてみませんか? 今回紹介するのは立呑みの店ばかりなので、ワイワイ騒がずサッと飲んでハシゴするのが粋。



生うに牛巻き¥2,300
旨い肴にこだわる酒飲みたちの聖地『かねます』

勝どき


酒好きの間で「月島の飲み屋の名店=かねます」の方程式を築き上げた名酒場。

立ち退きによって現在の場所に移転するも、その人気ぶりは健在で、開店直後に店内が客で溢れかえることもしばしば。

毎朝、築地で仕入れる鮮魚など、店の黒板には常時15種ほどのメニューが並ぶが、『かねます』のゴ蝨イ老擇炙った牛肉で生うにを巻いた「生うに牛巻き」。これを目当てに足を運ぶ酔客も多い。



左.L字型のカウンターは開店直後からいっぱいになることも
右.ぐじの昆布〆。一口噛み締めば、ぐじのねっとりとした旨みが口の中に広がる

予約は不可のため、4時の開店前から店前には行列が。月島というエリアまで、上質な肴を求めグルマンたちが足繁く通う。

ほかにも「ぐじの昆布〆」や「かぶら蒸し」など素材を活かした料理まで、嬉しい肴が並ぶ。立ち呑みに酒以外の目的を見出した強者でさえも、納得せざるを得ない。




幕末からの老舗酒屋が営む角打ち酒場の代表格『鈴傳』

四谷


角打ちという言葉をご存じだろうか。九州地方の方言で、要は酒店のカウンターで楽しむ立ち呑みのことだ。都内にも角打ち酒場は多くあるが、なかでも嘉永3年創業という長い歴史を誇る酒店がこちら。立ち呑みを始めてから60年以上が経つという老舗である。

その魅力は何といっても酒店ならではのリーズナブルな価格と、豊富に揃う日本酒。季節によって用意される地酒は十数種類にもなる。肴も多数揃い、もつ煮やニシン煮つけなどの料理が素朴で旨い。




人情味溢れる店主を今宵も常連の輪が囲む『王将』

新橋


烏森神社の参道というちょっと変わった立地。それでなくても、一見にはハードルが高い店だ。昭和34年の創業から変わらない屋台風の佇まい、8人も立てばいっぱいになるカウンターで肩を並べるのは、背広姿の常連ばかりである。

もちろん、一見お断りではない。が、この空間を楽しむには混雑時の斜め立ちなど、最低限のマナーは欠かせない。メニューは酒、ビール、もつ焼きのみ。ただ、それでも通いたいと思わせる人情と笑顔がこの店には溢れている。


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店主の心意気に感涙。食通も唸る絶品料理『徳多和良』

北千住


店主は日本料理ひと筋で40年以上になる料理人。看板にある「割烹くずし」とは、伝統を大切にしつつも気軽に日本料理を楽しんでもらいたいとの想いを込めて、自ら考案した造語だ。

だから、ここで味わえる日替わりの料理は立ち呑みのレベルを遙かに超えている。刺身にしろ、煮物にしろ、酢の物にしろ、料理のひとつひとつに、ちゃんと職人の仕事が施されているのだ。しかも、ほとんどが324円均一でいただけるからありがたい。肴の相棒には、名物の徳ハイ(324円)をおすすめしたい。




屋台さながらのカウンターで名物焼きとんを味わう『西口やきとん』

浅草橋


一時は、100mほどの行列ができたこともあったという。そんな浅草橋で一時代を築いた名酒場が移転を余儀なくされ、場所が変わってからはかつての賑わいも落ち着いたが、それでも一般的な人気店と比べれば随分な繁盛ぶりだ。

名物は、炭火で焼き上げるもつ焼き。常に10種類ほどが揃う。皿ナンコツや塩煮込みといった小皿料理も粒揃いだ。




渋谷のビル地下に広がる呑んべえの巣窟『富士屋本店』

渋谷


渋谷駅近く、桜丘町の一角。ビルの階段を下りていくと、酒呑みの秘密基地と呼ぶにふさわしい空間がそこにはある。厨房をぐるりと一周取り囲むカウンターは、総延長30m以上。そこが、夜毎集まってくる呑んべえでズラリと埋まってしまうのだからすごい。

キャッシュオンデリバリーだから、つい呑み過ぎる心配もご無用。仕事帰りや待ち合わせ前のサク呑みにはうってつけの一軒である。