Doctors Me(ドクターズミー)- ショック! 幼少期のネグレクトは心の傷だけでなく、脳の障害にも影響

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最近ニュースなどでも問題になっている「ネグレクト」。
児童虐待や障碍者虐待などのひとつで、子どもに対するそれは育児放棄や育児怠慢などを指します。ネグレクトによって被害者は心に傷を負うのはもちろんのこと、脳に障害を及ぼす可能性があることをご存知ですか?

今回は、そのメカニズムについて医師に解説してもらいましょう。

そもそも「ネグレクト」って何?

「ネグレクト」とは一般的に「無視をする」という意味があり、そこから、子どもに対する適切な養育を親が放棄することをいいます。
具体的には、子どもに食事を与えない、泣いていても無視をする、病気なのに治療を受けさせない、学校に行かせない、適切な衣服や寝場所を与えないなどの行為を指します。これによって、子どもの心や身体の発達が妨げられます。

子どもに与える影響とは?

まず、親からの愛情を知らずに育つので、自分もどのように愛情を示せばよいのか分からず、また、ポジティブな感情をもったり行動を起こすことがなかなかできないともいわれています。そして一般的な常識が分からず、社会に出にくいこともあるようです。

脳へも影響するって、本当?

アメリカのUniversity of Wisconsin Madisonの研究チームによる調査では、幼少の頃に貧困やネグレクトといったストレスにさらされると、学習や記憶、ストレスへの対処や情緒に関わる脳に影響を及す可能性があることが分かりました。

具体的には、脳にある情報処理や記憶に関わる「扁桃体」、記憶や学習能力に関わるとされている「海馬」が、ストレスを受けていた子どもの方が、そうでない子どもに比べ小さく、萎縮しているという結果が出たのです。つまり、情報処理や記憶力、学習能力などの力が低下することが懸念されます。
その結果、勉強しても成果が出にくかったり、感情を抑えにくかったり、ひどくなると、脳の発達に深刻な影響が出ることがあります。

ネグレクトは、大人になってからも大きな悪影響を残しますが、早期介入によって、脳の大きな障害を防ぐことができるという報告もあります。
つまり、早く気付いてストレス環境を改善することで、脳の萎縮を防ぐことができるのです。