名作も備品も展示!東京国立近代美術館で、美術館の素朴な疑問に答える展覧会

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「美術館の作品って、どうやって保管されてるの?」「作品の飾り方には、どんな工夫があるの?」…そんな美術館に対する素朴な疑問に対して、美術館が作品を展示することで答えていくというユニークな展覧会が開催されるとか。

2015年6月16日(火)から9月13日(日)まで東京国立近代美術館で開催されるのは、「No Museum,No Life?−これからの美術館事典 国立美術館コレクションによる展覧会」。日本のナショナルミュージアムである5つの国立美術館(東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、国立西洋美術館、国立国際美術館、国立新美術館)から、約170点を展示する合同展。

ルノワール、ロダン、マルセル・デュシャンなど、錚々たる芸術家の作品が並ぶので、美術展としての見ごたえも十分。

「AからZまで36のキーワードに添って、美術館について紹介します。事典をめくるような感覚でお楽しみください」と、広報担当者さん。

例えばAの項目「artist(アーティスト)」では、古今東西の作家のイメージをご紹介。Bは「beholder(観者)」で、トーマス・シュトゥルートの写真作品を使って、観る人が作品のなかでどのように表現されたか、を説明する。

また、Fの「frame(額)」では、作品を保護する役割とともに美的な鑑賞対象でもあるとして、岸田劉生の「麗子肖像(麗子五歳之像)」が登場。個性的な枠取りが、作品をより印象的にしていることがわかる。ほかにも、Sのstorage(収蔵庫)で、保管庫の写真を見せたり、Mのmoney(お金)では美術館の予算を明らかにするなど、普段は見られないような備品や資料を公開しているのが面白いところ。

「7月31日(金)から8月2日には、映画上映会や飲食の提供などのイベントも予定しています」(同)

AからZまでを教えてくれる展覧会は、美術館について楽しく学べる、めったにない機会になるかも。

上:トーマス・シュトゥルート《ルーヴル美術館4、パリ 1989》1989年、京都国立近代美術館  (C)Thomas Struth
下:岸田劉生《麗子肖像(麗子五歳之像)》1918年、東京国立近代美術館