「あまちゃんメモリアルブック NHKウイークリーステラ臨時増刊」10月30日号
今週の「まれ」の演出家が「あまちゃん」ではどこを演出したか、このブックで確認できます

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朝ドラ「まれ」(NHK 月〜土 朝8時〜)5月27日(水)放送 第51話より。脚本:篠崎絵里子(崎の大は立) 演出:西村武五郎

「いつも穏やかな みのりの中に こんな熱い思いが潜んでいたとは。」
(ナレーション・戸田恵子)
ということで、50話のレビューでドラマ見て苛々する戦犯扱いしたみのり(門脇麦)が、事件を起こしました。
一徹(葉山奨之)との結婚を許してくれない親たちへの抵抗に、徹(大泉洋)の部屋に立てこもってしまいます。
大晦日から元旦にかけての慌ただしい時期、しかも、徹と藍子(常盤貴子)の離婚話のまっただなかに。離婚しそうだしいまのうちに話しちゃえ!という思いだったようですが、タイミング最悪だし自分勝手。こんなふうに描かれてしまうみのりがどうにも気の毒でなりません。

でも、それよりなにより、見ていて肩を落としたのは、オープニングが終わったあとの「怠け者はおらんか!」(アマメハギ)登場。

この一連の流れを復習してみます。
いつものオープニングのあと、アマメハギ(→能登の伝統行事に出てくる妖怪)が外を歩いてきます。50話で元治たちがはりきって準備をし、大晦日、はる(鈴木砂羽)の美容室に顔を出したら邪魔もの扱いされて移動中ということはわかりますが、なぜか怪奇ドラマみたいなおどろおどろしい画面。→そのあとすぐ、カットが切り替わり、民宿桶作。一徹が大学行かないと言い出し、突然、咳き込む藍子。今度は難病もの?→すぐカット切り替わり、またアマメハギ。「ウオー!」と叫び雷鳴ゴロゴロ。→桶作家のキッチンにまれ(土屋太鳳)がいるところへみのり登場。「うちもがんばるさけ」の内容を突然告白。→アマメハギ「なまけものはおらんか!」→やりたいことはデイトレードと結婚と一徹が告白。→ アマメハギ→ 結婚相手としてみのり登場、驚いているところへアマメハギ。
こうして当事者全員集合。みのりと彼女のお父さん(塚地武雄)がまれの家に集まる状況をアマメハギの行事とうまくつなげて描いているのです。まれがキッチンでみのりと遭遇するために藍子が咳き込み、まれが水をとりにいくなど、いろいろお膳立てができているのですが、アマメハギのテンションがどうにも異色過ぎてなんだかどうしていいのかわからない気持ちになってしまいました・・・。アマメハギが妖怪であるからとはいえ・・・ちょっと寒いし、もう50話でアマメハギの正体と邪魔にされてるという答えが一回出てしまっているのですから、ナンセンスな笑いにもならないと思うんですよ。

8週の最後から9週の前半にかけて、謎のおもしろ演出を重ねる西村武五郎さん。彼は「あまちゃん」では、9週「おらの大失恋」、15週「おらの仁義なき戦い」、25週「おらたち、いつでも夢を」を担当しています。
「おらの大失恋」は、お座敷列車でアキとユイが「潮騒のメモリー」を歌う感動場面のある週。「おらの仁義なき戦い」はアキが「小池さん先週引っ越しましたよ」でNGをし続ける週。25週は鈴鹿さんが歌うシーンが無音になってた週。15週は、エキレビの「あまちゃん」レビューで「なんか違う・・・」と書いた停滞週でしたが、そうは言っても3週のどれも楽しく見ることができました。
「メモリアルブック」(NHK出版)で西村さんは、第9週でコメディーのシーンが難しかったと振り返り、「笑いってすごくセンシティブで、大げさにやり過ぎると笑えないし、微妙過ぎると分からなかったり、その差配が難しいんです」とコメントしています。「まれ」でもその感覚に立ち戻ってください!!
いや、でも、西村演出の、9週、種市との別れと「潮騒のメモリー」との重なり合い、25週、復興祈願の垂れ幕を海水で洗うアキという叙情的な場面、大好きだったし、「まれ」では、50話の、希と一徹がバケツのなかで雑巾しぼりながら話す場面はいい画だなあと思ってみたんですよー。(木俣冬)

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